体長30㎝前後になる。
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カジカ亜目ケムシカジカ科ケムシカジカ属外国名
英名/Sculpin,Shaggy sea raven学名
Hemitripterus villosus (Jordan and Gilbert)漢字・学名由来
漢字 毛虫鰍、毛虫杜父魚
由来・語源 細い棘があるから。もしくは毛虫のように醜いから。命名者は田中茂穂。地方名・市場名
生息域
海水魚。水深16〜540m。
北海道全域、青森県〜対馬東部の日本海沿岸、青森県〜千葉県銚子の太平洋沿岸、、希に相模湾。オホーツク海、オリュトルスキー岬以南のベーリング海、千島列島、アラスカ湾コディアック島、間宮海峡〜ピーター大帝湾、朝鮮半島全域。生態
産卵期は晩秋から冬。メバル属のように交尾するが卵は海中に放出される。普段は水深100m前後に生息。浅場で定住性のゴカイ類の群体や岩の割れ目などに産卵。
卵は大きく、産卵数は1万から2万粒。
注意◆福島県相馬市原釜で「おこぜ」と呼ぶのは背ビレの細く鋭い棘に刺されるとジクジク痛むせいだ。基本情報
関東では入荷はあるものの、スーパーなどではいっこうに見かけない。
料理店などで扱われるもの。水産基本情報
市場での評価 東北の太平洋岸からの入荷が多い。野締め、活け締め、活魚で入荷してくる。値段は安く、活魚でもあまり高くない。
漁法 刺し網、底引き網、釣り
主な産地 福島県、宮城県、岩手県から北海道など選び方
ー味わい
旬は秋から冬
醜い皮を剥くと、きれいな白身であるが繊維質ではなく、熱を通すとほろほろと崩れてしまう。
生で旨みを感じるものではなく、汁ものに向いている。
肝、胃袋、卵巣の味がいい。栄養
ー寄生虫
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
調理法汁(三平汁、みそ汁)、煮つけ(アクアパッツァ、まーす煮。煮つけ)、生食(刺身、肝あえ)、肝炒り、唐揚げ
みそ汁 肝が非常に重要、皮を向き、肝や胃袋、卵巣があれば入れて水から煮てみそを溶き入れるだけ。滋味豊かな味。豆腐やゴボウなどを入れてもいい。
刺身 できれば活魚を使いたい。個体によっては青みがかるものがあるなどいろいろ問題はあるが、ほとんどクセのない白身で、肝などを生かして刺身にしたい。
唐揚げ 二度揚げすると小骨なども気にならず食べることができる。美味。
卵
しょうゆ漬け 秋には子持ちが入荷してくる。これを湯で洗い、卵膜を取り去り、水洗いを繰り返してしょうゆに漬け込む。好みでみりんなどを加えてもいい。
好んで食べる地域・名物料理
東北太平洋岸から北海道。加工品・名産品
かじかのいずし 高橋笑美子 北海道石狩市厚田。切り身としょうが、ニンジンなどを糀で漬け込んだもの。田中茂穂が「最も優れた調理法はカジカ鮨と称するもの」とある。現在の飯ずしのようなもののようだ。釣り情報
東北、北海道では根魚釣りの対象魚。胴付き仕掛けのイカエサなどで釣れる。歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『北海道の全魚種図鑑』(尼岡邦夫、仲谷一宏、矢部衛 北海道新聞社)