14cm SL 前後になる。尾鰭の湾入は浅い。下顎は頭長よりも長い。サヨリは頭長よりも下顎が短い。
クルメサヨリの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スメグマモルフォ系ボラ亜系ダツ目トビウオ亜目サヨリ科サヨリ属外国名
学名
Hyporhamphus intermedius (Cantor,1842)漢字・学名由来
漢字 久留米針魚、久留米細魚、久留米鱵 Kurumesayori
由来・語源 ジョーダンとスタークスが福岡県久留米市で採取された個体で、Hyporhamphus kurumeus Jordan & Starks,1903(現シノニム)と記載したためだと思う。久留米市は筑後川の感潮区間ではもっとも上流域にあたる。有明海で揚がる標準和名のサヨリと区別しての呼び名だと思う。Jordan
David Starr Jordan〈デイビッド・スター・ジョーダン(ジョルダン) 1851-1931 アメリカ〉。魚類学者。日本の魚類学の創始者とされる田中茂穂とスナイダーとの共著『日本魚類目録』を出版。地方名・市場名 ?
生息域
湖沼、内湾、汽水域に生息。淡水域にも入る。表層を泳ぐ。
青森県小川原湖と十三湖、鳥取県湖山池、宮城県名取川、茨城県霞ヶ浦、利根川水系、伊勢湾、山口県日本海沿岸、筑後川、長崎県橘湾、有明海。
朝鮮半島南岸・西岸の汽水域、黄海北部、渤海、台湾北部、中国東シナ海・南シナ海沿岸、ベトナム北部。生態
ー基本情報
本州から九州の汽水域に多い魚で、朝鮮半島や中国にもいる。
霞ヶ浦、利根川周辺では古くから食用とされていた。ワカサギなどと比べると安いので漁師さんなどは煮つけてさんざん食べていたという。
昔ほどではないと言うものの、今も少なくはあるが、鮮魚もしくはすり身で売られている。残念なことに最近ではこのあたりでも貴重なものとなっている。水産基本情報
市場での評価/流通はしないと思われる。
漁法/シラウオのトロール漁に混ざる。
産地/茨城県選び方
銀白色のもの。赤みが出ているものは古い。味わい
旬は秋〜冬。
鱗は薄く小さく取りやすい。皮は非常に薄い。骨は柔らかい。
透明感のある白身で血合いは褐色をしている。熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
クルメサヨリの料理法・レシピ・食べ方/煮る(塩ゆで、煮干し、煮つけ)、揚げる(唐揚げ、薩摩揚げ)、焼く(干もの)クリックで閉じます
クルメサヨリの塩ゆで(煮干し) 小型魚ではあるが、特に小さいものを選んで、ざっと水洗いして、水分をよくきる。これを強めの塩水でゆであげる。火が通ったらザルにあげ、団扇などであおいで放冷する(冷やす)。このまま食べてもいいが、少し風通しのいい場所で乾かしてもいい。骨が柔らかいので、丸ごと食べられて内臓がほろ苦い。
クルメサヨリの唐揚げ もっとも一般的な料理かも。ザルなどに入れてざっと洗う。頭部と内臓を取り、水分をよくきる。片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。骨が柔らかいのでさくさくと香ばしく、独特の風味があってとてもおいしい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
よく煮て食べた 2003年の秋は利根川での漁を見るために何度か千葉県小見川町(現香取市)に通った。そのときに張り網でとれたのがこの魚。張り網というのは川や汽水域でのいわば定置網のこと、これを見せてくれた小見川の八本さん、篠塚さんによると、利根川河口堰ができる前には刺し網などでたくさんとれたもの。さんざん煮て食べたという。
加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/北総漁業協同組合(千葉県香取市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、台湾魚類資料庫