ウミタケの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門二枚貝綱オオノガイ目ニオガイ亜目ニオガイ超科ニオガイ科ニオガイ属外国名
学名
Barnea dilatata (Souleyet, 1843)漢字・学名由来
漢字 海筍、海笋 Umitake
由来・語源 漢字は中国と共通するなど、本草学的なものだと思う。『目八譜』、『大和本草』にも。水管が筍のように伸びているためか。有明海や岡山県児島湾での呼び名でもある。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。潮間帯下部〜水深10の泥底に深く潜っている。
仙台湾〜九州、日本海。
沿海州、中国大陸沿岸。生態
産卵は春と秋の2回。
実際の生息域は非常に狭い。基本情報
エツなどとともにユーラシア大陸と繋がっていたときの、大陸系遺存種のひとつだ。
ニオガイ科では国内で唯一の食用種。中国や韓国でも盛んに食べられている。
古くは岡山県児島湾でも盛んに漁獲されていたが、現在、有明海周辺だけで漁業対象になっている。生息しているのも有明海だけかも知れない。当地でも資源的に不安定である。
古くは有明海の魚介類のなかでももっとも大量に漁獲されていたという。佐賀、鍋島家にとっては、徳川将軍家、他藩への贈答品として「粕漬(酒粕に漬けたもの)」は重要であった。
現在では有明海の特産品であり生鮮品としても重要であるが、「干海茸(干しウミタケ)」、「粕漬」の方がより一般的なものである。水産基本情報
市場での評価 有明海周辺でのみ流通しているが、現在は獲れる量が極端に減っている。量の解禁期間も短い。
漁法 ねじ棒、潜水漁
産地 佐賀県、福岡県選び方
ー味わい
栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ウミタケの料理法・レシピ・食べ方/ 【水管】生食(湯引き、刺身)、焼く(一夜干し)、ソテー(中華炒め、バター焼き) 【水管以外の軟体】汁(みそ汁)、煮る(煮つけ)クリックで閉じます
ウミタケの湯引き 剥き身にして、水管を取り出す。水管の表面の黒い部分を取る。開いて湯通しして氷水に落として裏側のぬめりなどを取る。これを縦方向に切る。貝らしい風味が強く、ほどよい甘味とうま味がある。食感もあり、非常に味がいい。
ウミタケの刺身 剥き身にして水管を取りだし。開いて表面の汚れやぬめりを拭き取る。縦方向に切ると刺身になる。貝らしい風味や味が豊かだけど、食感が弱いのが難点だと思う。軽く熱を通した方がおいしい。クリックで閉じますウミタケの煮つけ 水管以外の足、外套膜、肝膵臓などとりだしたらていねいに泥を洗い流す。適当に切る。湯通しして冷水に落として粗熱を取る。水分をよくきり酒・砂糖・醤油・少量の水を煮立てた中で短時間煮る。嫌みがなく実に深みのある味わいである。特に肝と呼ばれる肝膵臓が抜群においしい。クリックで閉じますウミタケのみそ汁 水管以外の足、外套膜、肝膵臓などを取りだし流水でていねいに泥などを流す。適当に切り、水から煮出してみそをとく。貝らしい味わいに、うま味豊かな内臓、外套膜などの甘味もある。非常においしい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
熨斗 岡山県の児島湾では熨斗はウミタケで作っていた。『児島湾』(同前峰雄 岡山文庫)参考文献・協力
協力/高見元気さん
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)