アヤボラ

Scientific Name / Fusitriton oregonensis (Redfield,1848)

代表的な呼び名ツブ

アヤボラの形態写真

殻長10cm前後。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★★
      一般的(流通量は普通)
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱中腹足目(盤足目)ヤツシロガイ超科フジツガイ科アヤボラ亜科アヤボラ属

    外国名

    学名

    Fusitriton oregonensis (Redfield,1848)

    漢字・学名由来

    漢字 綾法螺、文法螺 Ayabora
    由来・語源 目八譜より。毛の流れが綾織のようだから。

    地方名・市場名

    ケツブ[毛つぶ]
    場所北海道根室 
    エゴツブ エゴバイ カラツブ[辛つぶ] ニガツブ[苦つぶ] タバコツブ[煙草つぶ]
    備考「えご」、「えごい」、「えぐし」とは喉(のど)をいらいら刺すような味。 参考文献より。 
    モコリリ
    備考アイヌ語。 

    生息域

    日本海。相模湾、山口県以北。アリューシャン列島をへて北アメリカ西岸。

    生態

    肉食性。
    毛が貝殻を覆う。螺肋(貝殻を立てて横に走る筋)と縦肋(貝殻を立てて縦に走る筋)が太く、両方が交わる点で瘤状(こぶじょう)になる。

    基本情報

    水産基本情報

    市場での評価/関東への入荷は非常に希。安い。
    漁法/底曳き網、カゴ漁
    産地/北海道など

    選び方

    原則的に生きているもの。軟体(足)がだらっと出ているものや、粘液が出ているものは選ばない。

    味わい

    旬は不明。
    唾液腺、わたに毒があるので食べないように。足の部分は軟らかく味がある。
    煮てもあまり硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    煮る(煮もの)、生食(刺身)
    アヤボラの刺身刺身 内臓は食べないこと。唾液腺は足を開くとクリーム色(黄色いときもある)をしている。1対(2個)あるので取り去り、泥などをよく洗い流す。滑り(ぬめり・粘液)は少ないのだが、これももみ洗いする。刺身は思ったよりも味がいい。ただし手間がかかるのが、困った点だ。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    つぶ甘露煮/佃煮。『小松食品』 北海道小樽市新光

    つぶわさびつぶわさび 国産のアヤボラの足の部分をわさびの茎、昆布などを合わせた調味液に浸したもの。アヤボラの定番的な加工品のひとつ。
    味つけつぶ これは燻製風味をつけたもの。貝の甘味そのままに燻製風味が加わって、いい味に仕上がっている。[大樹漁業協同組合 北海道広尾郡大樹町]

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    ■アヤボラの唾液腺にテトラミンの存在が確認され、また別の毒性分のある可能性もある(衛生研究所)。
    ■唾液腺などに酸味があり渋いので「エゴツブ」などの名がある。
    ■毛を除去して真っ白にしたものをみる(カブトアヤボラである可能性もあり)。これをオードブルの飾りなどに使用。

    参考文献・協力

    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)
  • 主食材として「アヤボラ」を使用したレシピ一覧

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