アオギス(Sillago,Kisu, Bay whiting)
Scientific Name / Sillago parvisquamis Gill
SL 50cmを超える。シロギスに非常によく似ている。全体に細く、青味がかる。第二背鰭に黒いごま状の斑紋が散らばることで区別がつく。
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魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度 ★★★★★
知っていたら学者級★★
地域的、嗜好品的なもの★★★
美味生息域 汽水域、内湾。
東京湾以南(?)。徳島県吉野川河口、大分県、鹿児島県、台湾。生態 ■ 河口、干潟などの内湾に棲息。
■ 寒い時期は湾口部の深みにいて、暖かくなると汽水域に移動してくる。
■ 産卵期は6月前後。基本情報 ー水産基本情報 ー選び方 ー味わい ー栄養 ー寄生虫 ー食べ方・料理法・作り方 ー好んで食べる地域・名物料理 ー加工品・名産品 ー釣り情報 脚立釣り 江戸時代から昭和40年前後まで、東京湾で行われていたのがアオギスの脚立釣り(きゃたつづり)。アオギスは警戒心が強く、船の影を嫌うことから脚立を立てて、それに乗って釣った。シロギスよりも断然大型になり、引きも強いということで人気があった。釣期は春から夏。長竿にエサはスナメ。この東京湾ならではの釣りもアオギスが姿を消すとともに昭和30年代後半には徐々に姿を消し、昭和40年代に完全に終わってしまった。歴史・ことわざ・雑学など 三代目三遊亭金馬 〈食べちゃ青ギスより白ギスのほうがうまい。職業釣り師は青ギスにめをつけない。だから町の魚屋には青ギスは売ってない。白ギスばかりだ〉『江戸前の釣り』(三代目三遊亭金馬)
絶滅危惧種 今では絶滅の危機が叫ばれている。
東京湾 東京湾では釣りの対象魚として人気があったが、すでに絶滅したと思われている。参考文献・協力 『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『江戸の釣り』(長辻象平 平凡新書)、『海トンボ自伝』(吉野熊吉 論創社)、『魚』(田中茂穂 創元社)