シロギス
代表的な呼び名キス
SL 30cm前後になる。全体に細く、微かに赤味がかった灰色で死んでしまうと白くなる。背鰭に斑紋がない。
魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
---|---|
食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は多くも少なくもない) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要 
生息域
海水魚。沿岸の砂地。
北海道積丹半島〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、襟裳岬〜九州南岸の大平洋沿岸、瀬戸内海。
朝鮮半島南岸・西岸、台湾、中国東シナ海・南シナ海沿岸。
北海道積丹半島〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、襟裳岬〜九州南岸の大平洋沿岸、瀬戸内海。
朝鮮半島南岸・西岸、台湾、中国東シナ海・南シナ海沿岸。
生態
■ 産卵期は初夏から秋口。
■ 気温・海水温の高いときには浅場にいて、寒くなると深場に移動する。
■寿命は4〜5年以上。
■ 気温・海水温の高いときには浅場にいて、寒くなると深場に移動する。
■寿命は4〜5年以上。
基本情報
琉球列島をのぞく日本各地で水揚げがある。小型魚ではあるが、高級魚で関東などではスーパーや魚屋さんでは売られることは希。
東京では江戸時代から打瀬舟などで漁獲していて、江戸前天ぷら種としてなくてはならないもの。都内では古くから需要の高い魚で近縁種を輸入までしている。
他には刺身、酢じめ、焼きもの、椀もの、などになるが、主に料理店、高級割烹やすし屋で使われている。
東京では江戸時代から打瀬舟などで漁獲していて、江戸前天ぷら種としてなくてはならないもの。都内では古くから需要の高い魚で近縁種を輸入までしている。
他には刺身、酢じめ、焼きもの、椀もの、などになるが、主に料理店、高級割烹やすし屋で使われている。
水産基本情報
市場での評価 関東では冷凍物、鮮魚とも入荷の多い魚。鮮魚は高値で安定している。
漁法 底曳網(ごち網漁)、刺網漁
産地 愛知県、香川県
漁法 底曳網(ごち網漁)、刺網漁
産地 愛知県、香川県
選び方・食べ方・その他 
選び方
白鱚というが白っぽいものは古い。外見からやや透明感があって、赤味を感じるもの。目が黒く澄んでいるもので、触って硬いもの。
味わい
旬は春から夏。
鱗は細かく硬いが取りやすい。皮は少し厚みがあって強い。骨は柔らかい。
透明感のある白身で血合いは弱く、熱を通しても締まらない。
鱗は細かく硬いが取りやすい。皮は少し厚みがあって強い。骨は柔らかい。
透明感のある白身で血合いは弱く、熱を通しても締まらない。
栄養
ー
寄生虫
ー
食べ方・料理法・作り方(お勧め順)
シロギスの料理法/揚げる(天ぷら、フライ、唐揚げ)、焼く(塩焼き、風味焼き)、生食(刺身、焼霜造り、酢じめ)、煮る(煮つけ)

キスの天ぷら
キスの天ぷら(シロギスの天ぷら) 水洗いして開いて天ぷらに。やや高めの油で揚げると身がふんわりと豊潤に膨らんで甘味が感じられる。皮目には独特の風味があって実に味わい深い。嫌みがない味なのでついつい箸が伸びる。

キスのフライ(

キスの塩焼き

キスの酒塩焼き


キスのあぶり

好んで食べる地域・名物料理
ー
加工品・名産品
開き干しなどになる。
釣り情報
新年が明けるとすぐに解禁になるのが神奈川県相模湾のシロギス釣り。この時期、夏には海水浴をしていても目にするほど浅い場所を泳ぐシロギスが、水深30メートルほどの深みにいる。この時期は水温が低いため、かかっても引きが悪く、魚体を持つと冷たく感じるほどだ。むしろこの時期に面白いのは外道というか釣り物のにぎやかさ。これが5月ともなると浅い場所での釣りとなり、水温も高くなって活性化されて引きよく、味もよい。仕掛けは天秤に10号から15号重り、ハリス0.8号の2本針。餌はジャリメがいい。
砂浜からの投げ釣りの代表的な対象魚である。
砂浜からの投げ釣りの代表的な対象魚である。
歴史・ことわざなど
白く透明で美しい外見から海の貴婦人に例えられる。
江戸時代、キスは贅沢なもので見舞いや祝い事にやりとりされていた。
鱚や魳に類していた 東京に向かう汽車内で、西洋人の女性の目鼻立ちの表現で。夏目漱石『三四郎』(1908/明治41)
江戸時代、キスは贅沢なもので見舞いや祝い事にやりとりされていた。
鱚や魳に類していた 東京に向かう汽車内で、西洋人の女性の目鼻立ちの表現で。夏目漱石『三四郎』(1908/明治41)
参考文献
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、広辞苑、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『島根のさかな』(島根県水産試験場 山陰中央新報社)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『日本漁具・漁法図説』(金田禎之 成山堂)、『馬琴一家の江戸暮らし』(高牧實 中公新書)