202506/15掲載

梅雨らしき、しとしと雨の日の、キス天かな

ふんわり豊潤に揚がったキス天で、飲むビールは贅沢だなー


いちばん疲れるのが事務処理である。いろんな会社と取引するのでやっかい。ボクなどまさに貧乏暇なし、である。
こんな日には逢魔が時に、早すぎるけどビールを開け、天ぷらを揚げて憂さを晴らす。

一緒に揚げたのは季節感がなくなったとはいえ、一応夏野菜のナス、ピーマン、みょうがで、贅沢だけど、すだちをつける。
悲しいことに総て加温野菜である。

太平洋側相模湾のシロギスは生殖巣が膨らんでいる時季だけど、日本海側山形県ではまだ生殖巣が膨らんでいない。
揚げるとふんわりして豊潤である。
日本海ものは、まだまだ脂がたっぷりのっているとは言えないが、甘味が強いし、うま味もある。

シロギスの味の表現で、上品な白身などというが、間違いである。
身(筋肉)の味も決して単調ではないし、最大の特徴は皮の野性的な風味である。
これがなければシロギスの存在価値はゼロだ。
揚げても意味がない。

本当に疲れた日にだけの、本物ビールの晴れ風を雨降りに飲む。

山形県産シロギスは型揃いで上物


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に山形県酒田市、新栄水産からシロギスがきていた。シロギスは年々小型化している気がする。大きいものは今や超高級魚となっている。
今回の山形産は比較的大きくて体長18cm・65g前後、しかも型が揃っている。
比較的安いのに上物である。
刺身に出来るな、と思ったが、体が求めているのは天ぷらである。

加温野菜なれど夏気分といきたいものだ


帰宅後、すぐに開く。生殖巣は膨らんでいない。日本海での産卵は秋だと思っているので予想通りである。
腹骨・血合い骨を取り、背鰭をキッチンバサミで取る。
味がつかない程度に塩を振り、保存する。
雨がぱらぱらと降る中、表面の水分を拭き取り、小麦粉をまぶし、衣をつけて高温で揚げる。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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シロギスのサムネイル写真
シロギスJapanese sillago海水魚。沿岸の砂地。北海道積丹半島〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、襟裳岬〜九州南岸の大平洋沿岸、鹿児島県種子島、瀬戸・・・・
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