202510/24掲載

小田原魚市場、秋のヘダイはうまいね

今年の秋もヘダイが食べられるって幸せかも


秋深しなので、小田原魚市場にはうまそうな魚が揃っている。
マアジが少ないので買受人は右往左往しているが、うまい魚が欲しいボクにはどこ吹く風なのである。
どうしても欲しかったのは活けのヘダイである。
生け簀の中のヘダイを数えている買受人が一人二人三人と、やけに目につく。
さんの水産さんにお願いしたが、かなり厳しい戦いになりそうだ。
ということでなんとか手に入れたのは、体長24.5cm・414g と小振りである。
ていねいに締めてもらって、手渡ししてもらってビックリ。

何がビックリしたかというと、下ろしたらその脂の乗りにビックリしたのだけど、その脂が体の表面にも感じられたからだ。
脂と言っても深海性の魚の脂ではなくタイ科の魚の上品な脂である。
毎年思うことだけど、この時季のヘダイの刺身にはおいしすぎて腰が抜けそうになる。
1切れ、1切れの味が大きい。
ぱきっとわかりやすいおいしさである。

ゆずと塩でしめて食べるのって爽やかだ


添えた「実生のゆず(高知市鏡、上田さんが栽培したもの)」を振るのを忘れるおいしさだったが、ちょっと早食いしすぎた。

切った「実生のゆず」が無駄になりそうだったこともあり、ゆず塩じめを作る
残った背の部分と腹身をそぎ切りにして塩をまぶして少し寝かせる。
出て来た水分を拭き取り、盛り付けて「実生のゆず」の皮をすってふりかけ、果汁を搾りかける。
約5分ほどそのまま見つめて、一切れずつじっくり時間を掛けて口に放り込む。
酒はアブソリュートのソーダ割りに、直七(田熊すだち)を落とす。

もっともっと高い評価を得ても当然だと思う


ヘダイは北海道日本海側でも見つかっているが東北以南に棲息していると考えられる。
タイ科の銀黒色(赤くない)の魚で、銀白色なので「白だい」と呼ぶ地域が多い。
若い個体は浅場にいて成魚もそれほど深場には落ちない。
クロダイは場所によって臭みがあるが、本種にはそれがない。
これほど優秀な白身魚も少なかろうと思っている。
値段は上向きだが、もっと高い評価を得てもいいと思う。
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