202510/28掲載

小田原魚市場、小型のタカベを干ものにする

小さいけれど強く濃厚な味の干ものになる


10月17日、神奈川県小田原魚市場、二宮定置はたいへんなことになっていた。大量の小型のゴマサバ、イサキでダンベ3個、4個が並ぶ。
そんな慌ただしい中、お邪魔して申し訳ない。
中に小型のタカベがあった。
体長13cm・38g前後である。
高級魚のタカベだが、このサイズではどうしようもない。
以上は前回にも書いた。
これで干ものを作る。

水洗いして水分をきり、塩水に10〜15分ほどつける。
室温20℃前後で塩分を控えているなら10分くらい。
水分をよくきり、室内の風通しのいいところで24時間干す。
地域によっては外干しができる。
この場合、半日くらいで干し上がる。

後は焼くだけである。
非常に強いうま味があるのだけれど、表面にまず脂の熱せられ、また固まる途中の半溶けの風味がする。
他の魚にはない独特の風味で、これがタカベの価値を上げているのだ。
皮も身も全部うまいのが小型魚の干もののいいところだ。
蒸かしたサツマイモのお菜にする。
滋賀県の番茶を大ジョッキで1パイ。

タカベは小型でも非常にうまい


タカベは不思議な魚である。
関東や伊豆諸島に多く、ほかの海域でも見られるが、それほど多くはない。
しかも熱帯域にはいないのである。
関東を代表する食用魚で、大型は信じられないほど高い。
東京をはじめ、関東ではめったにタカベの塩焼きが食べられなくなって久しい。

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タカベのサムネイル写真
タカベYellowstriped butterfish海水魚。沿岸域の岩礁地帯の中層。八丈島、小笠原諸島、茨城県〜九州南岸の太平洋沿岸、[鹿児島県]。若狭湾、兵庫県香住、島・・・・
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