202408/03掲載
鳥羽市安楽島貝類図鑑 アカニシ
もっともヒトの住み家に近いところに棲む大型の巻き貝
クリックで閉じます
三重県くらい海が多様なところはないと思う。北は木曽三川の河口域、伊勢湾があり、渥美半島と鳥羽市を結ぶ線から北は伊勢湾、南は太平洋になる。
鳥羽市は内湾でもあり外洋でもあり、しかも人が住んでいる島が多くある。
民俗学的にも面白く、生物好きにとってもパラダイスといってもいいだろう。
さて、鳥羽市安楽島の出間リカさんに鳥羽市の貝いろいろを送って頂いた。ついでにとは言っては失礼だが、厳密に同定してみた。
中にアカニシが混ざっていたが、鳥羽市安楽島での呼び名は不明である。
単に「にし」と呼ばれることが多く、松浦静山の甲子夜話には辛螺と漢字をあてて「あかにし」としている。
北海道南部から九州までの干潟や浅い内湾に生息している。浅場にいる巻き貝の中では大型である。
鹿児島県島嶼部以南を除けば日本全国で食べられている。
人の名に引用されたり、またイイダコを取るのに使われたり、人との関わりの深い巻き貝である。
大型で、料理法が限られるのは残念であるが、とてもおいしい。
全国流通はしないものの、日本各地の小売店や市場で見られる。
ぜひ一度食べていただきたい。
出間リカさんに感謝。(FB 安楽島新鮮組)