202408/01掲載
鳥羽市安楽島貝類図鑑 アコヤガイ
磯の色合いをしているのでアコヤガイを見つけるのは大変なのだ
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三重県くらい海が多様なところはないと思う。北は木曽三川の河口域、伊勢湾があり、渥美半島と鳥羽市を結ぶ線から北は伊勢湾、南は太平洋になる。
鳥羽市は内湾でもあり外洋でもあり、しかも人が住んでいる島が多くある。
民俗学的にも面白く、生物好きにとってもパラダイスといってもいいだろう。
さて、鳥羽市安楽島の出間リカさんに鳥羽市の貝いろいろを送って頂いた。ついでにとは言っては失礼だが、厳密に同定してみた。
中にアコヤガイが混ざっていたが、鳥羽市安楽島での呼び名は不明である。
別名「真珠貝」だ。
内側は表とは対照的に真珠色で非常に美しい
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岩や海藻にまぎれて見えにくくするために、表側は非常に地味で薄汚れた感じの色合いである。
裏側はまさに真珠色。
裏地に凝る江戸の粋人のようではないか。
この真珠色の層が天然でも真珠を作り出すことがある。
当然、真珠養殖の母貝のひとつでもある。
ちなみに国内の真珠養殖は、天然ものの個体から真珠玉を見つけることから始まったようだ。
もちろんその完成者は鳥羽市出身の御木本幸吉などである。
鳥羽市は真珠と切り離せない地だと言えるだろう。
磯などで天然の個体をもしやと、と思って貝を開ける。
過去に何固体も開いているが真珠が宿っていたことはない。
今回も真珠は見つけられなかった。
出間リカさんに感謝。(FB 安楽島新鮮組)