熱海市杉本鰹節店のそうだかつお削り節
厚みが選べるのもそうだ節のいいところ

静岡県熱海市熱海魚市場から『ぶーちゃんのたまご焼き』、そこから商店街をことこと歩いて最初にたどり着いたのが杉本鰹節店だ。
店内に入るやいなやの削り節の香りがんともいえずいい。鰹節にさば節の削り節があり、そのとなりに目的のものを発見する。偶然にも「そうだ削り節」がなくなっていたのだ。
削り節を量り売りしてくれる店は、今や東京都内にもほとんど見かけない。削り節はできれば200gずつ買いたいので、これは由々しきことなのだ。その上、スーパーで買えるメーカーものの袋入りは高すぎるのである。
熱海市のすごいところは、商店街の一角に庶民的な削り節の店が残っていることかも知れない。
我が家からいちばん近い削り節の店は川崎北部なので渋滞を考えると往復2時間以上、場合によっては3時間かかる。
久しぶりの削り節店での買い物に少々舞い上がって300gも買ってしまった。しかも乾物屋の長居くらい好きなものはないのに数軒先のパン屋に気をとられて、じっくり店内を見ていない。店内に微かに引っかかる事があったのに、軽く流してしまったことが大失敗だったことに後で気がついた。
さて、今回の「そうだ削り節薄削り」はとてもよいものだった。良識的な話になるが一般家庭では薄削りの方が使いやすい。
今回は昆布だしに「そうだ削り節薄削り」中心でだしをとる。
そうだ節だしと鰹節だしではとり方が違う

「そうだ削り節」と鰹節の大きな違いは入れてから煮込むか煮込まないか、だ。
昆布だしに投入して少し煮込んで火をとめる。
少し時間をおいて削り節が沈んだら一度濾し、再度温めて、こんどは鰹節と、さば節(ゴマサバ)を追うのだが、なんと缶缶の中にさば節がなかった。考えてみたら前回のかけつゆで使い切ってしまっていたのだ。ポテチン。
さば節はだしの通奏低音のようなもので、これを表に出すのはそば屋だけだと思っている。優秀なバランスとりだ、と今は勝手に考えている。
今回は少しだけ「そうだ削り節」を多めに使う。途端にだしの味が愛知県的になる。
ちなみに鰹節だけではなく、「そうだ削り節」を使うと、だしは見違えるように味わい深くなる。