高知県大月町、クロハゲのたたきを作ってみた
ニザダイの勉強は高知県大月町ですべし

高知県大月町はなんとしても再訪したい地ナンバーワンである。水産生物を人との関わりから調べている人間としては、ここほど興味深いところがあるとは思えない。
2015年に行ったものの、ほとんど時間がなかったのが残念でならない。いくつかの貴重な話が聞取できたが、取り分け興味深かったのがニザダイの利用法である。
大月町ではクロハゲという。道の駅大月というボクが道の駅ランキングをつけるとしたら第1位といった、最高の道の駅の魚売り場にたくさん並んでいた。気になったのが皮付きの「たたき」だ。
ニザダイの皮はサンドペーパーのようで硬く、鱗は引くに引けない。皮がうまいという話は、同じニザダイ科のクロハギ属の話として、南半球の熱帯域で聞取している。これと同様のことが、この国の高知県でもありえるのか、知りたくて知りたくて身もだえるほどだ。
とりあえずは、同じ物を作ってみるしかない。
ちなみに今回のニザダイは活魚をしめて、帰宅後すぐに内臓を抜いたもので作っている。大月町でもニザダイは内臓を抜いた状態で売っている。道の駅で、この売り方が気にくわないという老人がいて、「クロハゲは臭い方がうまい」らしい。この世代的な嗜好の変化も面白いのである。
余談になるが、本日で4日目になるが、刺身にして非常においしく、もちろん臭味はまったくない。
皮はしっかりあぶってしまうこと

さて、水洗いして三枚に下ろして腹骨と血合い骨を取る。
皮を上に向けてバーナーでかなり強くあぶる。皮は厚みがあって強いので、中まで火が通ることはない。
氷水で粗熱をとり、皮目を落ち着かせるために冷蔵庫で1時間ほど寝かせる。
あとは刺身状に切る。
見た目は地味だが抜群の味

ニザダイの生食としては過去最高のおいしさだった。
硬い皮は強くあぶっても多少ざらっとするが皮の裏側と直下に脂があり、強いうま味が感じられる。
ニザダイの刺身のうまさは、さすがに旬なので、これ以上望めないと思う。
まさか皮付きであぶったニザダイが、こんなにうまいとは想像もしていなかった。