202312/22掲載

割り下鍋に筒切りにしたアカヤガラ

アカヤガラは最強の鍋魚なのだ!


神奈川県小田原がアカヤガラだらけなのは毎冬のことだけど、千葉県でもたっぷりとれているみたいだ。駅前のスーパーでも、隣の県の大型スーパーにも特売で並んでいる。新宿のデパートのぞいても同じ。
みな下ろす前の姿を飾ってあるのは、正しいやり方だと思う。これで不気味だから買わないと思う人と、面白そうだから買ったみようと思う人がいそうだけど、食べなきゃ損、損だと思う。アカヤガラは魚の冒険への入り口といってもいい。
そのとき、我が家には頂き物の1個体があり、細部を撮影して、ていねいに骨をバラして個々に撮影し、捨てるわけにも行かないので、下ろし始めたらやたらに寒い。窓の外の温度計は摂氏4℃くらいに見える、ので地面は氷点下だろう。
当然、鍋しかない。問題はここ一週間でアカヤガラの鍋は4度目だということである。韓国風、ちり、ちり、ときて、今回は割り下鍋にする。
割り下は醤油・酒・みりん・水を合わせて好みの味に加減したものである。差し昆布をしてもいい、というか、ボクは必ず差す。
アカヤガラは鍋にするのがいちばん簡単で、いちばんうまいかも知れない。市販の鍋つゆで鍋という人も多いらしいが、そっちの方が簡単なら、それはそれでいいと思うな。
さて、今回のアカヤガラはバラバラ事件の死体のようなので、肝も鳴き袋(鰾)も見当たらない。適当に筒切りにして湯通しする。氷水に落として表面のぬめりを流し、水分を切っておく。
冷蔵庫に、必須である玉ねぎを見つけてほっとする。
割り下鍋にはコンニャク(今回は糸こんにゃく)と玉ねぎがあればいい。
鍋材料を他にもないかと探して、割り下を煮立てて、材料を適当に放り込みながら食べる。
アカヤガラのすごいところは、いいだしが出ることと、上品過ぎるように思えて、意外にうま味が豊かで、ほんのり甘味があることだ。
ちなみに割り下鍋の醤油を多めにして砂糖を加えて甘辛味にすると、とてもご飯に合う。
意外に一升瓶赤ワインにも合うけど、今はないのが残念でならぬ。
仕方がないので、これで缶ビール1缶。

このコラムに関係する種

アカヤガラのサムネイル写真
アカヤガラRed cornetfish, 鱗馬鞭魚、鱗煙管魚海水魚。沿岸〜沖合いの200mよりも浅場。北海道・[岩手県宮古]〜九州の日本海・東シナ海・太平洋沿岸、瀬戸内海、屋久島・・・・
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