202506/16掲載

石花海産大型キダイの、夏の刺身

刺身に白いベールをかぶせたように見える


タイ科はタイ科であるだけで高級とは言えない。
あえて言えば高値がつくのはマダイだけだ。
キダイ(レンコダイ)は非常に上物であっても値段は平凡である。
その平凡な値段の、キダイの刺身を皿に盛り付けた途端に表面がにじみ始めた。
過去のデータを見ても、こんなに脂が豊かな個体は見いだせない。

キダイの味がもっとも安定している時期は5月くらいから7月くらいまでだと思っている。8月、9月の個体も海域によっては脂がほどほどに乗っていたので、気象庁が定義するところの晩春から秋までが旬とすべきかも。
25cm前後以上はめったに手に入らないために、ボクのキダイの旬の見極め力は遅々として向上しない。

きっちり締めて、血を抜いているので食感が強い。
それなのに柔らかく感じるのは、皮下だけではなく身にも脂が混在している証拠である。
ちょっとだけ分厚く切った身に強いうま味がある。

これにて、神奈川県松田町、「松みどり」を正一合。
悪戦苦闘の日に、ごくわずか救いを感ず。

キダイは大きいほど、味がいい


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウがなんの手違いか知らないが、銭州に行こうとして石花海に出てしまったようだ。
大量にイサキを釣ってきた中に見事すぎるキダイが2尾混ざっていた。
計測すると、体長25cm・600gを超えている。めったに手に入らないサイズだ。

水洗いにして、三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。
背の部分の皮を引き、刺身にする。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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キダイEellowback sea-bream海水魚。大陸棚縁辺域。青森県出来島(つがる市)、山形県〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、福島県(主に房総半島)〜九州南・・・・
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