202505/26掲載

春の小田原、ゴマサバ子の干ものはかたかたに

うま味が凝縮されて、かたかたで、噛みしめ食べて


今、都内でもっとも手に入りにくいのが小魚の干ものである。あるとすればウルメイワシとカタクチイワシくらい。
ボクの故郷、徳島県などでは海辺の町で様々な干ものが手に入ったもので、それが懐かしいのもあって、小魚の干ものを積極的に作っている。
過去のデータをみると、時期はずれるけれど、ゴマサバの子はなんども干ものにしている。

我が家の干ものは非常に塩分濃度が低く、硬く干しても塩気が少ないので、もの足りないという人がいる。
ただ硬く干してあるので水分量が少なく、その分うま味が凝縮している。
あぶったものを噛みしめながら食べると、後から後から味が波のように押し寄せてくる。
お茶と一緒に食べても止められず、ビールと一緒に食べても止められない。

今回はゴマサバの子のうまさを再度痛感した、そんな初夏のような5月の初旬だった。

このサイズのゴマサバは直接人の口に入らない


5月9日の神奈川県小田原魚市場は魚であふれていた。選別の簡単な魚もいれば時間のかかる魚もいる。
二宮定置の、選別の重荷となっている小魚は3種類。
ゴマサバ・ムツの子供達、カタクチイワシだ。
いちばん多かったのが小さなゴマサバで唐揚げにし、干ものにし煮干しにした。

ぺったんこになるくらい、干して干して干す


1尾10g前後だったので、ざっと洗って水分を切り、立て塩(なめると少し渋いくらいの塩水)に6分つける。
扇風機と冷蔵庫でほぼ1日、かたかたに干し上げる。
二宮定置のみなさんには感謝致しております。

このコラムに関係する種

ゴマサバのサムネイル写真
ゴマサバ英名/blue mackerel  台湾/花腹鯖、芝麻鯖 中国/澳洲鯖海水魚。沿岸表層で群れを作る。北海道南部〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、北海道〜九州南岸の大平洋沿岸、瀬戸内海、屋久・・・・
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