202501/16掲載
特別な日でもないのに、鰭酒
あの背鰭、どこにいったんでしょうね?

連休明けといってもボクとは関係がないが、仕事が立て込んで疲労困憊の14日は眠れない夜で、深夜酒にトラフグの鰭をあぶりはじめる。
同時に熱燗以上の火が入るくらいの熱燗をつける。
あぶった鰭を温めた厚手の湯飲みに入れて、熱燗をそそぐ。
蓋をして1、2分待つ。
火を入れてアルコール分を飛ばしたりはしない。
湯飲みが火傷しそうなくらい熱いのでタオルにくるんでふう、ふう、ふう。
特別、トラフグの鰭がうまいとも思わないけど、鰭酒ではいちばん安定しておいしい。
この焦がした鰭の香りと、うま味を混ざりこませた熱燗に優る熱燗はないかもな、なんてことも考える。
なんとなくもの足りなくて、もういっぱいと思ったら、背鰭がない。
胸鰭2枚では弱いので、臀鰭も使って濃厚なのをふう、ふう、ふうする。
本当は3ばいのはずが、2はいだけになり、納得のいかないヤな気分になる。
あの肉厚の背鰭、どこに行ったんだろう?
北風で干すとなお、おいしい鰭ができる

11月25日、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に「みがいて」とお願いする。暇らしく、「あいよ」と「みがく」のは産地不明のトラフグである。
1.1kgなので小型だし、毒の除去だけなので、早い。
念のためにフグは毒の除去さえフグ調理師(現在、ふぐ取扱責任者)にやってもらえば、誰でも自由に料理できる。
また「みがき」(毒を除去したもの)も売られている。
以上は前回も書いた。
■注意/フグは種類によって毒を含む部位が異なる。
トラフグの皮膚には毒がないので、鰭酒び鰭が作れる。
腹鰭がないので、合計5つ。
作り方は簡単で、鰭を切り取り、フグ科の鰭は強いので包丁の背でしごいてぬめりを取る。
後はからからになるまで干すだけ。