202412/22掲載

夜更けの、アカヤガラの喉仏の塩焼き


どこで、を書くと問題になりそうなので、言わないが……。
ある日あるとき、ちょっとちょっとと呼び止められて、くるくるっと袋に入れて、くれたのはアカヤガラの頭である。
「身体にいいから」
というのは冗談だと思う。
暇だったのでボクを見て暇つぶししたかったけど、こっちが急いでいる風だったので、不得要領に手許にあったものをくれた、のだと思う。
もらってうれしいものではない。
嘴を捨てるのが面倒だからだ。

でもおいしい部分なのでうれしいことはうれしい。
まことに人間の感情って複雑だな、と自分の脳みそをみて思う。
もちろんアカヤガラの頭部が取り立てて身体にいいなんてことはない。
持ち帰ってすぐ、食べられない嘴を切り落として喉仏を開いて塩をする。
密閉して寝かせて、夜更けに焼く。

最近、ビールを、もちろんチョンマだけどやめた。
夜更けは、いきなり高清水の本醸造、ベランダ冷やしなので、この喉仏の塩焼きは持って来いなのである。

手で食べる、がアカヤガラの喉仏塩焼きの食べ方


鰓蓋に近い細まったところの身はしまっていて、手でむしり取って食らうのだけど、天下無敵の味だと思っている。
残念なのはちょぼっとしかないことだ。
開いた裏側の皮をしゃぶると、これまた乙な味でござりまする(花菱アチャコです)。

これだけでは終わらない。
内臓に近い部分の身がふんわり柔らかいのである。

冷え冷えの高清水をやりながら、いったいやつは、何を言いたかったんだろう? と…………。

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アカヤガラのサムネイル写真
アカヤガラRed cornetfish, 鱗馬鞭魚、鱗煙管魚海水魚。沿岸〜沖合いの200mよりも浅場。北海道・[岩手県宮古]〜九州の日本海・東シナ海・太平洋沿岸、瀬戸内海、屋久島・・・・
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