202412/22掲載
夜更けの、アカヤガラの喉仏の塩焼き

どこで、を書くと問題になりそうなので、言わないが……。
ある日あるとき、ちょっとちょっとと呼び止められて、くるくるっと袋に入れて、くれたのはアカヤガラの頭である。
「身体にいいから」
というのは冗談だと思う。
暇だったのでボクを見て暇つぶししたかったけど、こっちが急いでいる風だったので、不得要領に手許にあったものをくれた、のだと思う。
もらってうれしいものではない。
嘴を捨てるのが面倒だからだ。
でもおいしい部分なのでうれしいことはうれしい。
まことに人間の感情って複雑だな、と自分の脳みそをみて思う。
もちろんアカヤガラの頭部が取り立てて身体にいいなんてことはない。
持ち帰ってすぐ、食べられない嘴を切り落として喉仏を開いて塩をする。
密閉して寝かせて、夜更けに焼く。
最近、ビールを、もちろんチョンマだけどやめた。
夜更けは、いきなり高清水の本醸造、ベランダ冷やしなので、この喉仏の塩焼きは持って来いなのである。