小田原の小イサキ、ごっそりのなめろう

小イサキをごっそり連れてきて。なめろうをごっそり作る


6月7日早朝、神奈川県小田原市、小田原魚市場、二宮定置はたいへんだった。水揚げされた魚にたくさんのマイワシの破片が混ざっており、しかも小型の魚がわんさかあった。
以上はなんども書いている。
そのとき60g前後のゴッソリ(イサキ)をたくさん連れ帰って来て、いろいろ作ったが、おおかたは千葉県外房風の「みそたたき」にした。
いちどにたくさん作り、器に盛り込んでは酢をかけまわして食べた。
千葉県で「なめろう」を初めて食べたのは千倉港周辺の食堂のようなところだ。
ビールを頼んだら一緒にきたのだけど、注文した記憶がない。マアジとか小型のイサキ、磯のムツ(ムツの若い個体)で作ったといわれ、最初から酢が回しかけていた。
この魚を細かく包丁でみそとたたいたものは、三陸以南の太平洋側に広く分布しているが、酢を使うのは千葉県だけだと思っている。
「なめろう」は千葉県固有の料理名ではないが、取り分け酢をかけたものを、外房風「なめろう」と言うことにしている。
最近、イサキを近所のスーパーで買ったり、もらったりで何度か「なめろう」作っているが、このようなものを作るきっかけが前回の小田原のゴッソリである。
これから小田原だけではなく、日本各地がこの小イサキの津波に襲われると思う。
あまりの量に出荷不能になり、飼料になってしまうことが多いのは小田原だけの話ではない。
食べたらビックリのうまさなのに、人の口に入らない。
なんとももったいない話である。

酢をかけ回すのが千葉県外房風だ


さて、「なめろう」といえばマアジとなるが、実は小イサキだって味では負けていない。
ときどきこれににんにくとか、青唐辛子を加える。
取り分け青唐辛子を使うとやたら夏向きになる。
今回、小田原のときは7、8尾まとめて作って保存容器に入れて、2日間かけて食べた。
茶漬けにもし、深夜酒の肴にもした。
これも外房の民宿のやり方である。
夜、何組かの宿泊客がテーブルを囲んでいるところに、大きなタッパーに入った「なめろう」が回っていたのだ。
あまったら翌朝のご飯のおかず、さんが焼きになる。


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