根ボッケの開き干しが超高級であるのは当然だ

最大サイズのホッケに威圧感を感じる


3月18日に八王子綜合卸売センター、福泉で買ったホッケは体長48cm・2.07kg なので特大といってもいいだろう。
ホッケは出世魚で、アオボッケ→ロウソクボッケ→ハルボッケ→ネボッケ(根ボッケ)と名前が変わり、値段も成長にともない上昇する。ハルボッケまでは安いが、成魚、ネボッケになると根が急激に上昇し、1㎏を超えると高値がつく。2㎏上は非常に高い。
ちなみにホッケは孵化した稚魚や幼魚は産卵した岩礁域にいて、成長すると沖に出る。また少し成長するとエサの豊富な場所に移動し、成魚になると一定のところに居着く。根ボッケとは成魚で、成長にともなう水域の移動をしない個体のこととなる。ちなみに室蘭での聞取では、非常に大型の個体だけを根ボッケという人もいる。
ちなみに大型のホッケは本州、関東などよりも北海道で人気がある。北海道だけに見られるのが特大開き干しだが、これは東京の人間などからすると、考えも及ばぬ額で売られている。
ちなみに第二次世界大戦の敗戦後、ホッケはまずい魚の代表的なものとされた。カジカに近い魚で、鮮度落ちが比較的早いのに保冷なしの鉄道で消費地に送られ、配給されていたからだ。
今でも500gくらいの鮮度のいいものに、今ひとつ値がつかないのは、この悪評が微かに残っているためだと思っている。この比較的安値安定のホッケは街の魚屋さんにとっては値頃感のある魚だが、味から考えると、全体的にもっと高値がついてもいいと思う。
さて、過去のデータをみると2㎏サイズは残念ながら3個体しか食べていない。ほぼ10年振りの特大は、持った感触が非常に柔らかいのに驚いた。鮮度が悪いための柔らかさではなく、脂が身体全体に回っているために柔らかいのである。

とにもかくにも丸のまま立て塩につけ込んだ


いろいろ料理してもよかったが、思い切って丸々1尾開き干しにした。
今現在、塩気がだめなので立て塩に20分つけたが、通常はこの2倍くらい漬けないともの足りないかも。これを風の強い日に丸一日干した。

目の前にすると圧倒されるほど大きい


干し上げたときの重さが、1.5㎏なので食べでがある。
身が分厚く、切り分けるためにまな板に乗せると、特大まな板からはみ出しそうだ。

身の表面が樺とかガマの穂のような色になる


とてもじゃないが、丸々1尾焼けるはずもなく、切り身にして焼いた。
始めに皮目を上にした強火で焼き上げ、返してからは中火にする。
身を上にして焼き始めると表面がまるで水を張った田のようになる。これが泡立ち、徐々にガマの穂ような色になる。
この水を張ったばかりの田の水面状になった脂そのままに皿に取るが、一瞬で身に溶け込んでしまう。

一枚めくると、そこにあるのは液化した脂に浸った身である


表面からはわからないが焼けた面を外すと、中は柔らかいテリーヌのようになっている。
スプーンでしゃくって食べると、食べやすい。
この液化した脂の中の身がほどよく繊維質で口の中でとろける。
甘いのは糖質からではなく、脂が溶けるその感じからだ。
6等分して食べた、6分の1を食べきることができない。当然。ご飯が入らなくなった。
1切れ食べきれない自分が情けなく感じるものの、この満足感と満腹感は驚異的だと思う。


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