
山陰以北が生息域のボタンエビ(トヤマエビ)はタラバエビ属でも大型になる。100gを超える大型も珍しくない。
いちばん知名度の高い甘えび(ホッコクアカエビ)と並べると親子に見えるほどだ。
ホッコクアカエビと違うのは食感が強く、ぷりっとして口に入れるとボリューミーであることだ。
主な産地は北海道。噴火湾などでもとれるが、大型が多く知名度が高いのは日本海側の留萌、増毛などだ。
だいたい50gを超えると値が跳ね上がり、100g以上になるといったいいくらにつくのか不安を感じてしまう。

留萌産55gは都内に入荷したとき、じっくり見ていると脚がまだ動く。
慌てて皮を剥くと身を引きちぎってしまうほど、まだ殻と筋肉が密着している。エビ特有のタンパク質分解酵素があまり働いていない証拠である。
筋肉が分解することで甘味は増すが、ぷりっとした食感が失われる。
この食感と甘味のバランスがいい。
頭部のみそも濃厚ではあるが苦みがほとんどない。