メダイはわたがいい

関東ではお馴染みの魚の意外な味


東京都八王子市、八王子綜合卸売協同組合、マル幸、クマゴロウが大メダイを新島沖(東京都伊豆諸島)で爆釣してきた。
釣り味のいい魚で、ボクも瀬ノ海で一度釣り上げているが、やりとりを終えて手にした大メダイに興奮冷めやらぬといった感じだった。
せっかくの機会なので、長々ほったらかして置いたメダイページの大改訂に取り組むことにする。改訂終了はたぶん1ヶ月くらい先になる。それぐらいメダイの要素、話題は多いのである。
さて、体長52cm・2.8kgで体高の割りに尾に近い部分が細く、左右も膨らんでいないので旬は先の先である。それでも下ろしてみると脂があった。さすが東京で長年愛されてきた魚だな、と思ったものだ。
この大メダイでいろんな料理を作ってみたが、突出しておいしかったのは意外なものだった。
兜煮でもなく清蒸でもなく、刺身でもたたきでも、なめろうでもなく、なんとわた煮がすこぶるつきにうまかったのだ。
メダイはサルパだのプランクトンなどの甲殻類、イカなど様々なものを食らっている。だからわた(内臓)が複雑で胃袋にも強い歯がある。秋から冬ならいざ知らず、夏はわたの歩留まりが悪い。それでも十二分にわたの味が楽しめた。
歯が並んだ食道を切り取り、腸管ともども裂いてていねいに洗う。肝なども同様に。幽門垂の部分も洗い、水分をていねいに切る。

こくのある味で非常に味わい深い


これを酒・砂糖・醤油・少量の水を煮立てて、少し煮つめた中で絡めながら煮る。短時間で煮上げるのがコツである。
肝の甘味とこくのある味がすばらしいが、今回いちばんうまかったのは食道と食道囊、腸管である。
独特の食感にうま味成分から来る甘味が相まって天下一品の味だった。
久しぶりに飲む、日本酒が非常にウマシだ。


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