コロダイのポワレ
ポワレはフランスの塩焼き
フランス料理のポワレ(poêlé)は比較的新しい料理だけれど、ボクは勝手に、この国での塩焼きや煮つけのような料理だと考えている。テクニックは必要だけど、工程は簡単である。
要するに魚のソテーだが、表面はこんがりと香ばしく、中はしっとりと豊潤に仕上げるのだけど、外と中の食感の落差が大きいのが特徴である。
沖縄県石垣島のウミンチュがコロダイを送ってくれた。コロダイの旬は難しい。5月、6月に入荷量がやや多いのはイサキ科ならではかなと思っていると、秋が深まる10月、11月にまとまってやってきたり。しかもどの時季のものを下ろしてもそれなりに脂がある。
今回、石垣島産は生殖巣が見当たらないことからすると、産卵を終え、産卵からの回復期に当たるのかも知れないと思った。
さて、いろんな料理を作ってみたが、いちばんうまかったのが先にも述べたポワレである。
レシピは簡単だが
ポワレの作り方は非常に単純である。
水洗いして三枚に下ろして切り身にする。
塩コショウしておく。
フライパンに多めのオリーブオイルとつぶしたにんにくを入れて火をつけて加熱。にんにくの香りが立ってきたら取り出す。
ここに皮を下にして切り身を入れる。最初は弱火で。皮がかりっと香ばしく揚がったらひっくり返し、強火にしてアロゼ(皮目にフライパンの中の脂をかけながら)しながら火を通す。
ちなみに我が家では皮の柔らかい魚は身の方から、皮に厚みがあり硬いものは皮からソテーする。
火をとめてシェリー酒と少量のジンを加えてデグラッセ(泡立つほど熱してフライパンに残ったうま味と脂と酒を乳化させる)、仕上げにライムをしぼる。
これをソースにして切り身を盛る。
ほんの少しだけ温めたバゲットと赤ワインのロックを合わせる。
意外にも腹に軽い味わいで、深夜、ベッドに沈む前のひとときがいい感じに過ぎていく。