魚は知識と技術で格安になる。シマアオダイの兜料理
魚料理は知識と、プロに頼ることから
![]()
八王子卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが釣り上げてきたシマアオダイは高級であるし、めったに手に入らない魚でもある。
今回の756g サイズを例えば東京都豊洲市場で買えば、1尾3000円くらいはするだろう。
これを高いか、安いかは、買った人の技量で決まると思う。
今回、1尾で兜焼き(塩焼き)、兜煮(煮つけ)、刺身2回、刺身酢洗い、皮霜造り、カルパッチョ、たっぷりでゴージャスなあら汁を作った。
これで1品あたり380円ほどだ。
ちなみに八王子卸売協同組合、舵丸水産では三枚下ろしに頭部梨子割りくらいはやってくれる。
あえて言えば最近のスーパーは素晴らしい。
シマアオダイクラスを手に入れるのは難しいが、魚を1尾買うと懇切ていねいに下ろしてくれるところが増えている。
単なる高級魚ならスーパーに頼ってもいい。
ちなみに魚経験は多いほどいいが、できるだけ包丁など道具を買うのは後回しにすべき。
まずは魚屋、スーパーに頼りなさい、なのだ。
さて、頭と腹骨周りだけで2品なので、ほとんど無駄がない。
もしもシマアオダイを料理店で食べたなら、刺身1人前で1000円強、高級店なら刺身3、5切れで1500円くらいはする。
兜(頭)を使った料理だって安くはないはずだ。
贅沢するならお金持ちは料理店で高級魚を食べるといいし、庶民は魚屋・スーパーに頼るか、腕を磨き高級魚を1尾丸々かって多品目作るしかないだろう。
しかもシマアオダイは流通のプロや魚類学を学んでいる人間には在り来たりな魚だが、普通の人には非常に珍しい魚なのである。
さて、鯛の兜焼き(マダイの頭の塩焼き)、兜煮(マダイの頭の煮つけ)はなぜ、定番料理になり得ているのか?
マダイはクセのない上品な味わいで、頭部の骨が柔らかく、頭まわりの身がたっぷりだからだ。
フエダイ科アオダイ属の本種はマダイ以上にに骨が柔らかく、頭まわりの身が多い。
![]()
塩焼きは焼きたての熱いのを我慢して適当にばらす。
そのまま手で食べるのがベストだろう。
複雑な兜を食べるなら、野性的に食べろ、だ。
そんなに大きくないのに身はたっぷりだし、いちばんいい時季の最上級のマダイと比べても勝るとも劣らない味だ。
上品でいながら強いうま味がある兜煮
![]()
煮つけ(兜煮)は頭部だけでは量的に少なすぎるので腹骨まわりを加えて煮た。
加うるに今回はやや甘めに煮つけた。
シマアオダイは煮つけても硬く締まることなく、柔らかくあがる。
まずは皮をていねいにつついてもらいたい。
厚みがあって、皮そのものに味がある。
身(筋肉)はほの甘く、身離れがいいので、食べていて楽しい。
ご飯にやたらに合う。
夏になって、麦飯に替えたばかりだけど、その麦飯の減りが激しい。
シマアオダイは非常に美味だが、手に入れにくい
![]()
八王子卸売協同組合、舵丸水産のクマゴロウが東京都利島沖でシマアオダイを釣り上げてきた。
シマアオダイは伊豆諸島、紀伊半島南部、高知県、鹿児島県島嶼部、沖縄県で発見され、漁獲されている。
鹿児島県、沖縄県では高級ではあるが、普通の食用魚だ。
体長31㎝・756g なのでまだ若い個体だ。
過去に同じく東京都御蔵島沖のものを撮影しているが、利島沖は我がデータベースでの最北記録となる。
フエダイ科アオダイ属はおいしい魚揃いで、高級魚オンパレードと言っていいだろう。
本種も非常に高い。
舵丸水産では水洗いして三枚下ろし、頭部を割るくらいはしてくれる。
できればやってもらうといいだろう。
水洗いして頭部を梨子割りにする。
左側の頭に振り塩をする。
1時間以上置いて、じっくり焦がさないように焼き上げる。
右側はゆどうし(沸かした湯に落とすと表面が白くなる)し、氷水に落として残った鱗やぬめりを流す。
水分をよく切り、水・酒・砂糖・醤油を合わした中に入れて火をつける。
沸騰してきたらあくを取り、ときどき煮汁の味見をして調味料を加減する。
今回は青みに甘辛トウガラシを途中から加えた。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。
