ちょっとアニキのマゴチの刺身を食べて考えた
マゴチは売れ残ってもマゴチなのだ
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たまには市場流通がいかに健全で、まともな評価をしており、価格を安定させ、鮮度保持の面からも優秀かという話をしたい。
今回のマゴチなど小振りだけど、その上、かなりのアニキ(幾日か前の売れ残り)だけど、扱いがいいので実にいい状態だった。
でも売りにくい。
これが市場の肌感覚である。
コチ科のマゴチには、同科で見た目が似ているイネゴチという市場評価の相方がいる。
マゴチが100%としたら50〜60%くらいの値段で買える。
市場の最大の仕事は評価なのである。
しかも例えば1万円でマゴチを数キロ仕入れたら、利潤を乗せて、かなりの高確率で利潤がとれる。
イネゴチはその利潤が低い上に、損失(売れ残る)となる可能性がマゴチよりも高い。
鮮魚は売れなければすべて損失なので常にリスクがある。
イネゴチはマゴチよりも最低でも40%安くなければならないというのは、味の評価だけではなくリスクが高いからだ。
漁師さんを市場に案内すると、極端な例だけど、例えば競り値が1000円のものを5000円で売っているとか言う。
これは、流通コストや、流通上に横たわるリスクやリスクの分散、価格の安定などに、経費がかかることは漁師さんにだってわかっているのに、わからないふりをしているのである。
消費者も流通コストなどと単純化して考えるのではなく、しっかり流通の仕組みを知るべきである。
実際、2日か3日前にしめたマゴチの刺身は鮮度抜群のイネゴチよりも遙かにうまい。
イネゴチだってとてもうまい魚なので、一般人は市場人のように比較しない方がいいけど、マゴチが高いわけは食べたらわかる。
旬を迎えているマゴチの刺身が舌の上でねっとりとするのは、少ないながら脂がのっているからだ。
水温が上がり、産卵を前に小魚や甲殻類を鱈腹食べているので、身に張りがあり、豊かなうま味がある。
一切れの刺身においしい要素に満ちているのである。
しかもイネゴチの食感は活け締めにしてもあまり長く保たない、マゴチは少し寝かせても食感が心地よい。
脳内が忙しすぎて、せっかく用意した、「〆張鶴」はコップに注がないままとあいなる。
うまい酒の肴だったのに、詮無いことをした。
