5月、相模湾のカイワリはすごい

カイワリの料理の王道は刺身


今回小田原から持ち帰った「かくあじ(カイワリ)」は、二宮定置で揚がった活けであるが、生け簀から上げて、こんなに大きいとは、思いもしなかった。
重さ350g から500g あり、取り分け500gは相模湾ではめったに見られないサイズだ。
背に厚みがあり、触るだけで脂が感じられた。

国内で「かくあじ(カイワリ)」にいちばん高値をつけるのは小田原だ。
それだけにカイワリの扱いが国内でいちばんいいのも小田原で、他の漁港では珍しい活魚も、小田原では普通である。
衆目の集まる中での競り値にびっくりしたものの、よくぞ競り落とせたものだといううれしさがこみあげてきた。

「かくあじ(カイワリ)」はなんといっても刺身である。
当日の刺身は少し分厚く切りすぎた気がしたが、締めたその日なのに強いうま味があり、少し硬くはあるが噛めば噛むほど、脂が浮かんできて口溶け感からくる甘さが感じられる。

ただ、驚くのは翌日である。
刺身を食べてすごい、というのもおかしいかも知れないけど、すごい。
食感もそれほど落ちているわけではないのに、濃厚な味わいがある。
しかも口中に残るのは心地よい余韻で後味が軽い。
「〆張鶴吟醸生貯蔵酒(宮尾酒造 新潟県村上市)」を飲む、その間がなかった。

アジ科なのに寝かせた方が味がいい


さて、翌日、翌々日と刺身にして食べて、4日目に昼ご飯のおかずにした。
なんと4日目がいちばんうまい。
食感は消えているものの、強いうま味が口の中をぐるぐる回る。
一切れ、一切れをゆっくりゆっくり味わいながら、楽しむ。

ご飯のつもりが、今度こそ「〆張鶴吟醸生貯蔵酒」を5勺だけ。
幸福感に包まれる。

小田原では活魚が普通だけど、なかなか手に入らない


最近、小田原でもカイワリという人が増えているが、基本的に相模湾北西部では「角あじ」という。
標準和名「かいわり」と呼んでいたのは本来、江ノ島以東ではないかと思っている。
ヒルゲンドルフがいて、箕作佳吉、石川千代松のいた江ノ島、三崎である。
相模湾ではやや沖合いの深場に多く、昔々から人気が高い。

水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。
皮を引いて刺身にする。


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