3月17日 兵庫県香住のノドグロ

但馬の喉黒


兵庫県香美町香住、香住漁港で共進丸の競り場を見ていたら、見事な喉黒(ノドグロ)やムツを昨年秋同様、お土産にいただいた。
いただいたのが3月15日で、実際に料理したのが17日と時間が空いたので、今回は総て加熱して食べた。
世に「喉黒」が持てはやされるのは脂がのっていて、生でよし、焼いてよし、煮てよしだからだ。
17日は早朝、兵庫県日本海但馬地方から帰宅したばかりだったので、寝たり起きたりしながら「喉黒」料理を作る。

基本の塩焼きから


まずは2尾塩焼きにする。一気に食べ尽くしたくなる願望を抑えて1尾だけそのまま食べたが実に飯がすすむ。
この魚の凄いところはおかずにしても酒の肴にしても上等なところだろう。

塩焼きを炊き込みご飯に


塩焼き1尾は峠の釜めしの釜で炊き込みご飯にする。個人的には生で炊き込むよりも、素焼きか塩焼きにしてから炊き込むのが好きだ。
炊き上がったら魚を取りだし、骨を取り去ってご飯に混ぜ込む。兵庫県但馬地方で作られている岩津ねぎを洗い天に盛る。
釜飯の釜で炊けるのは1合弱だが、1尾で2合炊いてもよかった気がするほどにウマスギだった。

但馬の郷土料理「じゃう」


最後の1尾で但馬地方の郷土料理「じゃう」を作る。
水洗いして適当に切り、酒・醤油に漬け込む。1時間以上つけ込んだら、つけ汁と水で煮汁を作り、つけ込んだ「喉黒」をねぎ、ゴボウと一緒に汁仕立てにする。
「じゃう」は汁でもあり、鍋でもあり、煮物でもある。要は港に揚がった魚を酒と醤油で煮る、という簡単至極な浜の料理だ。
共進丸のオッカサンに言わせると、ゴボウとネギだけは必ず入れるという。
但馬地方の「じゃう」、滋賀県の「じゅんじゅん」、三重県尾鷲の「じふ」、加賀の「じぶ煮」の最初の音が「じ」であること、必ず醤油を使うことなど、共通点があって面白い。
香住漁港、共進丸の船主の吉岡さんほか、荷さばきをしていたオッカサン達に感謝! まことにおいしいノドグロでした。


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