消滅しないで欲しい、「鮒みそ」
鮒が主役か、大豆が主役なのか
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愛知県名古屋市など尾張地方尾張、尾張地方でも旧海部郡(念のために尾張地方の尾張と旧海部郡は分けて考えるべきだと思う)、木曽三川主に中流・下流域周辺の岐阜県、三重県の比較的広い地域で作られていたのが、「鮒みそ(鮒味噌)」である。
寒い時季に作るものとされていて、フナ(ギンブナか)と水でもどりた大豆をじっくり煮て、みそを加えて骨まで柔らかく煮上げたもの。
1989年夏、農文協の『聞き書 愛知の食事』が出たとき、同年暮れに名古屋まで探しに行っている。
駅前の柳橋中央市場で探したらいきなりあった。
そこから市内にあった市民市場でも見つけて、いくつか買い求めたのが、ボクの「初ふなみそ」だ。
柳橋中央市場で聞いた「小さな店で大釜ひとつでことこと煮ている光景」には出合えなかった。
『なごや飲食夜話』(安田文吉 中日新聞社)の安田家では、冬に自宅でことこと煮ていたというが、今や家庭で作ろうにもフナが手に入らないのではないかと思う。
ちなみに安田家では「赤みそ」を使っていたと言うが、豆みそと同じものと考えていいのか、よくわからない。
蛇足になるが織田信長や豊臣秀吉が若いとき暮らしていたのも尾張、なので間違いなく食べていたはずである。
名古屋市内で「鮒みそ」を探すのは大変である
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今回のものは名古屋市の『中義商店』で見つけた。
この店、その昔、中公設市場(名古屋市大須3丁目)の中に入っていた店そのもので、この公設市場の店が周辺に散らばっているようだ。
名古屋人が時々使う言語である「海部地方のもの」で、鈴木食品(愛知県海部郡蟹江町)が製造したものだ。
豆好きなので大豆たっぷりなのがいい。
ときどき鮒ではなくみそで煮た大豆が好きだと思うくらいなので、この「鮒みそ」はボクの理想的なものである。

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