エゴマの醤油漬けでご飯

エゴマの葉くらいご飯を消費するものはない


エゴマの醤油漬けでご飯、というのがやたらに好きだ。
醤油と胡麻油で1枚1枚漬け込んでいるだけの醤油漬けは、ご飯をどんどん消費していく。
やめられなくなる。
しかも夏を感じる味でもある。
エゴマの独特の風味はエゴマの風味としか表現できない。
青じそとの違いは葉に甘みがあることかも。
そこがご飯に合う。

茎つきだったので葉に大小あり、細かい葉も混ざる


東京都の郊外でも都心でもそうだけどエゴマの葉の売り方はケチ臭いし、高い。
焼肉を巻くためだけに売られているためだろう。
葉の大きさを揃えた流通は過重包装だし、農家にとっても過重労働だし、自然にも優しくない。
しかもビニールに入った途端香りが消滅する。
日本人というのはちまちましてけち臭いな。
韓国では大きさを揃えた束もあるけど、もっと粗野な売り方のものもある。

さて、八王子総合卸売センター、八百角に袋入りの粗野な包装の、エゴマの葉が来ていたので買った。
帰宅してすぐにあらって葉と茎に分けて水切りをする。

醤油タレを漬けては重ねて行く


これを醤油・胡麻油・一味唐辛子で漬け込む。
1枚1枚にたれをつけては胡麻を振り、漬ける。
これは尊敬していた永六輔のラジオ番組で聞いた、青じそでのやり方をエゴマに応用したものだ。
確か中華街での話だったと記憶する。

それから数年後、新潟県の山間部を彷徨っていたら、胡麻油こそ使わないが同じように醤油漬けを漬けているオバアサンに会っている。
いただいて帰ったら刻んだ辛い青唐辛子が入ってぴりっとしておいしかった。

エゴマを食べる地域と食べない地域がある


1日程度漬け込むと漬け込んだエゴマの葉をひっくり返す。
ふたたび1日漬け込んで出来上がる。
あとは1枚1枚引っぺがして食べるだけだ。

エゴマを食べる地域と食べない地域がある


ちなみにボクの故郷、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)では一度もエゴマを見ても、食べてもいない。
初めて見たのはおんぼろシビックで山形の旅をしたときなので、1980年くらいだ。
我がサイト最大のテーマは地域性なのである。
徳島県はエゴマの食文化の薄い地域、もしくはない地域だと思っている。
本州東北、新潟県、長野県、岐阜県などはエゴマの食文化の濃い地域だと思うけど、この濃淡が知りたくなった。


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