十六ささげは夏の味

くすんで目立たないもの、それがなければ飯食いは始まらない


外気温は34度もあり、ベランダの温度計は38度などという日の、常備菜は十六ささげ(ジュウロクササゲ)と薩摩揚げをたいたものだ。
十六ささげは八百屋の特売品だし、薩摩揚げはそろそろダメになりそうだったもので、日常生活というのは、実はこのような合理性によって営まれているのである。
このとりたててうまいとも思えないものが、ないと寂しいのは米好きだからかも。
米(ご飯)というのは多様な脇役を要するものなのだ。

初めて見たときは、とても変わった豆だなと思ったものだ


さて、三尺ささげともいう。長さ90cmにだって成長する莢を食べるササゲである。
輪ゴムでとめた束で売られている。
6月30日、静岡県浜松市のスーパーに並んでいて、夏だなと感じた。
愛知県新城市長篠ではお盆にはなくてはならないものだという。
考えて見ると、最近じっくり野菜売り場を見る時間がなかったことにも気づく。
八王子総合卸売センター、八百角にも大量入荷してきていて、これから9月いっぱいまで八百屋の定番的な野菜になるはずである。

ボクだけの話だが、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)の商店街の家では食べた憶えがない。
上京して初めて見た気がする。
三度豆(ドジョウインゲン)は舎園地(しゃえんじ/農家ではない家が自宅用に持っている畑)でなんども収穫していて、馴染みがあったが、東京都江戸川区小岩でこの長い莢を見たときはびっくりした。
その個性的な風味にも驚いた。

どちらかというと三度豆好きだったのが、いつの間にか十六ささげ好きになっているのが不思議だ。
この独特の風味がわかる、そんなボクに変化したのかも。


関連コンテンツ

サイト内検索 (Google)

その他コンテンツ

ぼうずコンニャク本

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場
すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~
すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。
イラスト図解 寿司ネタ1年生
イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
地域食材大百科〈第5巻〉魚介類、海藻
魚介類、海藻460品目を収録。