利島沖のアカイサキは脂がのっている
最近はあれこれやらず、そのまんま刺身がよくなっている

アカイサキの刺身
アカイサキは見た目はパッと華やかだけど、流通上では実に地味で目立たない存在である。
市場の注目度が値段で動いているせいで、あまり値をつけない魚なのだ。
見た目が派手でも味は平凡なので、現在の価格が妥当だろう。
ついでにいうと、意外に料理しにくい魚なのである。
晩春から夏にかけてはいいとしても、寒い時季には不安定で難しい魚になる。
これはハナダイ科の多くの種がそうだ。
6月の個体はまず外れがない。
昔はなんてたって焼霜造りがいいと思っていた。
それが旬の時季は刺身がいちばんだか、と思うように変化したのは年のせいかも。
鋭角的なわかりやすい味よりも、後からじっくりくる味が好きになってきたのだ。
脂が非常にのっている刺身は、アカイサキの繊維質に欠ける身質を補って余りある。
非常に美味でかつ、うまさが長く続く。
みんな大好き、旬のアカイサキの焼霜造り

アカイサキのあぶり
ついでにせっかくなので焼霜造り(あぶり)にもしてみた。
十人が十人好きな味だ。
アカイサキは皮とその真下に味があるし、脂の層がある。
最初の一撃的味だけではなく、ごっついおいしいものを食べたという実感が沸く。
我が家には「雲海」しかない、のがとても残念である。