倉橋島の魚、イネゴチの潮煮

イネゴチの潮煮がこんなにうまいなんて


4月24日、広島県呉市倉橋島、『日美丸』、平本勝美さんにいろいろ送って頂いた。
中にイネゴチが入っていた。
倉橋島では「蛇鯒(ジャゴチ)」という。
体長40cm・567gなので、やや大きめだ。
これを刺身にして味のよさにびっくり。
潮煮にして、またビックリ仰天する。
おいしいのである。

潮煮は濃く取った昆布だしと酒・塩だけで煮るのだけど、イネゴチから出るうま味と合体して生まれた汁のうまさを堪能する。
皮は無残にも溶けてしまうものの、身がほろほろ脆弱で甘い。
イネゴチの身に、こんなに味があるとは思わなかった。
きっと倉橋島周りのエサがいいのだろう。
また島の多いところで潮の流れが強いからかも知れぬ。

隠れ肉は終いまでとっておきたい


最後まで残して置くのが、隠れ肉である。
ほっぺたの肉であるが、わずかばかりの大きさだけど、他の部分よりも締まっていて甘味が強い。
あらかた食べ終えたら、最後の最後に¥に汁に骨周りの身を落としていく、汁と身、皮だけにして一気飲み。
合いの手で飲む、頂き物の菊正宗 樽酒もうまし。

ほぼマイナー魚といっていい、イネゴチ


さて、最後にイネゴチメモをば。
本州以南の浅い砂地にいるコチ科イネゴチ属の魚である。
マゴチに似ていて、同じように肉食性だ。
近縁種に琉球列島にミナミイネゴチがいる。
食用となるコチ科の中で味の点ではマゴチ、エンマゴチ、ワニゴチ、ヨシノゴチの後にくる。
メゴチやハナメゴチと比べると上だけど、ちゃんとていねいに扱わないとおいしくない。
その点、日美丸さんはすごいと思うし、倉橋島周りの環境のよさもすごいかも。
余談だが、イネゴチの小型は未利用魚となり兼ねないという魚でもある。
日美丸さんに感謝!


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