立春を過ぎてもしばれるので、むきはぎの鍋
煮ながら味を作るのではなく、完成した味のつゆで煮る鍋

今回の「鍋つゆ」には、煮干し・昆布出しと酒・白醤油を使っているので、それだけ飲んでもおいしい。
本来鍋は不完全なあまり味のないつゆで具材を煮て、味を作り出していくものだが、具材を煮る前に完成している鍋、といってもいいだろう。
ここにウマヅラハギの切り身からのだしと、野菜やきのこ、葉ニンニクといろんな味が混ざり合うので、にぎやかな味の鍋でもある。
ウマヅラハギの身は軽く煮てもおいしいし、かなり長時間煮てほろほろになったものもおいしい。
安くておいしい「むきはぎ」のありがたさが身に染みる。
いろんな具材をせわしなくつついて食べる楽しさは格別だと思う。
比較的無個性な具材の中で葉ニンニクがとても個性的で、しかも味があった。
いつも炒めているが、鍋材料に使ってもいける。
ちなみに具材とつゆを一緒に食べる鍋なので、終いの雑炊はなし。
「むきはぎ」は見た目はのっぺらぼうだが、べらぼうにおいしい

八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産は冬枯れ状態であった。
種類が少なく、いいものもあるが、やや高値であったりと狙いの定まらない日であった。
そこに宮城県から「むきはぎ」が来ていた。
「むきはぎ」とはウマヅラハギの頭を落とし、厚い皮を浜(産地)で剥いたものだ。
非常に便利だし、扱いがよく衛生的でもある。
関東などのスーパーでもときどき売られているが、ぜひとも日々の暮らしに取り入れて欲しい食材のひとつである。