黒いから嫌われるが味は同じ、マナマコ黒の話
黒いから嫌われているだけかも知れないマナマコ黒タイプ

小田原魚市場にマナマコ(黒)とアカナマコが並んでいた。
黒いのはマナマコの黒いタイプで青いタイプもいるが、1種の生き物である。
赤いナマコはマナマコとは別種で、アカナマコという種である。
一般的な食用ナマコはマナマコ(黒・青)とアカナマコの2種類だが、いちばん安いのが黒(マナマコ)、少し値が高いのが青(マナマコ)、いちばん高いのが赤(アカナマコ)となる。
それでは値段通りの味か、というと違う気がしている。
黒(マナマコ)は高騰が続いているナマコ類の中でも少しだけ安いので、ボクなら黒かも。
■写真はマナマコ黒タイプ。
この国は昔から赤色が好き、だから高いのかも

さて、築地から豊洲に移っても場内に置かれているのはもっぱら赤(アカナマコ)で、黒(マナマコ)・青(マナマコ)はほとんど見かけない。
よほど在庫がなくて、不漁でというときに仕方なく店頭に置くのがマナマコ(黒・青)なのである。
じゃあーー、黒いのはおいしくないのか? というのを今年も食べ比べてみる。
さんの水産さんと、ヤオマサ ナイトウさんにアカナマコとマナマコ(黒)を分けてもらう。
ちなみに今年の小田原のナマコはやけに大きい。
なぜなんだろうな?
持ち帰ったら流水であらって、両端(口・肛門)を切り飛ばす。
切れ目を入れて開き、内臓(腸と卵巣す。こちらは別項を立てる)を取り出す。
塩をまぶして表面のぬめりを流し、水分を切る。
これをやや薄めに切りつける。
■写真はアカナマコ。
黒いマナマコは刺身にして黒いわけではない

マナマコ(黒)は表面のぬめりを流すと、ちょっとだけ青みがかってはいるが黒くはない。
味は抜群にいい。
ナマコらしいナマコ味でそれ以外に表現のしようがない。
このちょっと渋くて、そして甘くて、口のなかで溶けながらシコシコする感じはナマコ以外にない。