小柴産「真いか」が、2025年初イカ

刺身の美しさに圧倒されるし、食べてもおいしいし


新年早々、墨いか(コウイカ)ではなく、江戸前、東京湾のシリヤケイカが、本年、初イカとなりにけり、だ。
東京湾周辺で「真いか」なのは、江戸湾の頃からたくさんとれて、そのうまさを愛でられていたためだ。
今じゃ、コウイカに隠れて目立たない存在だが、ボクはシリヤケイカの味方です、といいたい。

コウイカの刺身は有名であるが、シリヤケイカも刺身にすると見た目で劣らず、味もおっつかっつなのである。
胴のとんがっている最後尾から黄色い粘液をだすための、「尻焼け」という尾籠な名前である。
山口県あたりの呼び名だが、日本軟体類学の父、佐々木望先生には、日本橋魚河岸の「真いか」を採用して欲しかったといつも思う。

さて、この東京湾の「真いか」の安さとおいしさに、庭駆け回るくらい喜んでいるのが、味で水産生物を買うボクのような人だ。
イカ類の中でも甘味・食感ともトップクラスなのである。
なによりも身に厚みがあるのがうれしい。

ちょこっとゆでて、刺身の脇にちょこっと置いて


刺身に飽いたら、げそ(腕でもあり足でもある部分)というのが、コウイカ科のイカの、食べ方の基本である。
ぬめりをていねいにもみ出しているので、ゆでた身がきれいだ。
表面に液体を感じないのがいい。
軟体類の塩ゆでは、ゆで上がりが濡れていてはならぬのだ。
ひとつ舌に乗せて、噛みしめて、噛みしめてと、おいしい時間が長いのも魅力である。
今日の酢みそは、辛子を入れすぎたな、と鼻をつまみならが食うのもいい。

確かに丸のままを見ると印象が鈍い気がする


八王子総合卸売センター、福泉に、小柴から「真いか(シリヤケイカ)」が来ていた。外套長17cmと大きいし、安いし。
東京の市場人で知らない人はいないといった、名産地「小柴」とは神奈川県横浜市金沢区にある柴漁港のことだ。
「小柴もの」という言葉があるくらい有名である。
「小柴」という言語が有名すぎて、柴漁港のことだと。知らない市場人だっている。
シリヤケイカは水洗いしてげそと胴に分ける。
胴の皮を剥き、刺身にする。
げそは塩もみして水洗いする。
水分をきり塩ゆでにして氷水に落として水を切る。
適当にきって辛子酢みそを添える。


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