宮城県石巻からデブなアカカマス

アカカマスとしては最大級であるし、しかも太い。
三陸からこのサイズが来るのは、なんとなくだけど唐突な感じがする。
アカカマスが三陸からくるのは別に珍しくはないけど、ここまで大きい個体がまとまってとれるんだ、と改めて思う。
石巻での定置網での水揚げ光景が想い出されるが、間違いなく大型水槽に何杯かあったのだろう。

つかんだだけで脂を感じたので、皮下の脂の層に驚きはしない。
それでも口に入れて、体温で溶け出してくる脂の量が多すぎるくらい多いのに驚く。
脂が溶けるとともに甘く感じられ、のちにカマスにしかない濃厚なうま味がくる。
普通、焼霜造りはあぶった香りから感じるものなのに、最後に鼻にぬけた。
恐るべし、石巻のデブカマスくんなのだ。

さて、翌日の塩焼きは文字にする必要などない、といった味である。
やはりカマスは塩焼きで、脂ののったアカカマスの、は塩焼きの王様のひとつだろう。
ちょっと野性的で、それでいて味わいは上品、しかも、脂があるので柔らかい。
塩焼きとご飯は最強の友だろう。

それにしても宮城県のデブカマス、またくるんだろうか？

11月14日、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に宮城県石巻から非常にデブなアカカマスが来ていた。
体長35cm ・0.36gもあるので、高そうなと思っていたら、意外に手頃な値段だった。
これを焼霜造りと塩焼きにする。
水洗いして前方を筒切りにして振り塩をする。
後半を二枚に下ろし骨なしの方の血合い骨を抜く。
皮目をバーナーであぶり、氷水に落として水分をそっと拭き取り、冷蔵庫で１時間ほど寝かす。
こうすると脆弱になった皮が落ち着いて刺身状に切りやすくなる。
塩焼きは翌日、焼き上げる。
■舵丸水産は、一般客に優しく、水洗い・下ろしなどをやってくれるので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。