体長20センチ前後になる。紡錘形で頭部は短く目が大きい。雄の背鰭前端は極端には伸びないし、糸も引かない。[雌 16.5cm SL ・76g]
ヒメの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
-
珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区真骨亜区正新骨下区円鱗上目ヒメ目アオメエソ亜目ヒメ科ヒメ属外国名
学名
Hime japonica (Günther 1877)漢字・学名由来
漢字 比女、姫 Standard Japanese name / Hime
由来・語源 東京での呼び名。ヒメジも東京では「ひめ」だ。
意味合いは「姫」で、鮮やかな体色によるのではないかと思う。
〈ひめ(おきのじょう) 産地不明〉『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897)
「ひめ(しめ)」というスズメ科の野鳥に由来すると『新釈 魚名考』(栄川省造 青銅企画出版)にある。漢字では「鳥偏に旨」。しかしその姿文様どこにも共通点がない。むしろその艶やかな外見から「姫」を当てるべきだと考える。Günther,
Albert Karl Ludwig Gotthilf Günther (アルベルト・ギュンター 1830-1914 ドイツ→イギリス)。動物学者。地方名・市場名
生息域
海水魚。水深25-510mの砂、貝殻混じりの砂地、これよりも洗い底質。
青森県八戸、青森県津軽海峡〜九州西岸の日本海沿岸、茨城県〜九州南岸の大平洋沿岸、東シナ海大陸棚縁辺。
韓国釜山、台湾。生態
ー基本情報
本州以南の沖合いに生息している。底曳き網などで揚がるが一般に食用とはしない。
相模湾などではマダイやアカアマダイ釣りで釣れるが持ち帰らない釣り師が多い。
まとまって獲れた場合に練り製品の原料などになるていどで、希に鮮魚流通をする。
食べたらおいしい魚なのでいちどお試しを。
珍魚度 珍しい魚ではないが、市場流通することは極めて希。産地などで探すか、自分で釣るかだ。水産基本情報
市場での評価 入荷は非常に希。非常に安い。
漁法 底引き網
産地 愛知県など選び方
触って張りのあるもの。色が鮮やかなもの。味わい
旬は不明。
鱗は薄いが硬くて取りにくい。皮は少し厚みがあって強い。中骨・頭部はあまり硬くはない。小骨は細く強くない。
水分の多い白身。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ヒメの料理・レシピ・食べ方/揚げる(唐揚げ)、煮る(煮つけ)、焼く(干もの)クリックで閉じますヒメの唐揚げ
ヒメの唐揚げ 小魚で骨があまり硬くないなどで唐揚げに向いている。今回は短時間で均等に火を通すために水洗いして背開きにして揚げる。背開きにしたら水分をしっかり取る。片栗粉をまぶして少し寝かせてから揚げる。
二度揚げするとさくさくと丸ごと食べられる。皮目に独特の風味があってとてもうまい。
好んで食べる地域・名物料理
ー関連コラム(郷土料理)
ヒメを見て考えた「姫」と「ヒメ」の語源の違い
八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが新島沖で釣り上げたヒメを撮影しながら考えた。 標準和名のヒメは体長20cm前後の比較的原始的な魚で、本州から九州・・・ 続きを開く加工品・名産品
ー釣り情報
マダイのコマセ釣り、アジ釣りなどでの外道のひとつ。歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/マル幸水産(東京都八王子市)
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)