
体長25cm前後になる。全体に赤く、吻が短い。吻長は眼径の0.93〜1.09倍。口は斜め上向き。背鰭軟条数は33〜37、尻鰭軟条数は30〜35。
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
★ 食用として認知されていない |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱新鰭区真骨亜区正真骨下区棘鰭上目スズキ系スズキ目ヒシダイ亜目ヒシダイ科ヒシダイ属
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外国名 |
Deepbody boarfish
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学名 |
Antigonia capros Lowe, 1843
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漢字・学名由来 |
漢字 菱鯛
由来・語源 側面から見ると「◆(菱形 ひしがた)」であり、左右に平たいため。 |
地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水魚。水深40m〜900m。
福島県、八丈島、房総半島東岸〜豊後水道の太平洋沿岸、富山湾、島根県浜田市、東シナ海大陸棚縁辺、九州〜パラオ海嶺。韓国浦項、台湾南部、海南島東方海域、カイ諸島、オーストラリア北西・北東岸、ハワイ諸島〜光考海山、西インド洋、西大西洋、メキシコ湾、カリブ海。 |
生態 |
ー |
基本情報 |
房総半島から南、比較的水深の深い場所にいる。
釣り漁、底曳き網などでとれる。
まとまってとれない魚で、普通雑魚として扱われる。
流通上での一定の評価はなく、希に入荷するととても安い。
歩留まりが悪く、鱗が硬いなど扱いの難しい魚ではあるが、味は非常にいい。 |
水産基本情報 |
市場での評価 入荷は非常に希。一定の評価はなく、安い。
漁法 底曳き網、釣り
産地 鹿児島県、三重県、沖縄県 |
選び方 |
ー  鮮度が落ちると深い赤から薄い赤に退色する。腹部などを触って張りのあるもの。写真は退色しているが食用としてはまったく問題はない。 |
味わい |
旬は秋から春
鱗はザラザラして硬く、体側の周辺部分は非常に取りにくい。皮はやや厚みがあって強い。骨はやや硬め。
赤身がかった白身でキンメダイに近い。熱を通しても硬く締まらない。 |
栄養 |
ー |
寄生虫 |
ー |
食べ方・料理法・作り方 |
焼く(塩焼き、素焼き)、煮る(煮つけ)、生食(刺身)、揚げる(唐揚げ)
 ヒシダイの塩焼き
ヒシダイの塩焼き 鱗などとらないでそのまま焼いて食べても味はいいが、少し鱗がわずらわしい。しょうがじょうゆで食べる。鱗をとって塩をしてじっくりと焼き上げる。焼くと身が適度にしまり、強いうま味がある。皮目にも独特の香りがあって味は上々。  ヒシダイの煮つけ
ヒシダイの煮つけ 水洗いして湯通しする。冷水に落とし、取りにくい部分の鱗をできるだけ取る。水分をよく切り、しょうゆ、酒、砂糖で煮る。身は煮ると適度にしまり、身離れがよく美味。また身以上に煮汁がうまい。食べたら必ず骨湯(医者殺し)にして欲しい。  ヒシダイのみそ汁
ヒシダイのみそ汁 水洗いして適宜に切る。湯に通して冷水に落として、鱗やぬめりを流す。水分を切り、水(昆布だしでも)から煮だしてみそを溶く。非常にうま味豊かな汁になる。身にも甘みがあり、適度に締まっていておいしい。  ヒシダイの刺身
ヒシダイの刺身 水洗いして三枚に下ろすと、残念だが歩留まりが非常に悪く、刺身として利用できる部分は少ない。あらは汁などにするといい。ほんのり赤みがかる血合いの弱い白みである。少し柔らかいが、独特の風味があってとても味がいい。  ヒシダイの唐揚げ
ヒシダイの唐揚げ 水洗いして頭部を落として、身を観音開きにして片栗粉をまぶして二度揚げした。身は鶏肉のように繊維質に締まるが口の中でたわいなくほぐれてうまい、皮目に独特の香りがあるのも好ましい。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
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加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
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参考文献・協力 |
協力/田中水産(鹿児島県鹿児島市)
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会) |
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