1.5m SL 前後になる。紡錘形で頭部はやや縦に平たい。背鰭棘はそれぞれ独立している。若い個体には縦に白い帯が鮮明にある。成魚の尾鰭は湾入し、若い個体は丸い。[55cm SL・1,829kg]
スギの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目スギ科スギ属外国名
学名
Rachycentron canadum (Linnaeus, 1766)漢字・学名由来
漢字 須義 Standard Japanese name / Sugi
由来・語源 由来や意味は不明。神奈川県江ノ島周辺での呼び名。漢字は田中茂穂の当て字だと思われる。
〈ELACATE, Cuv. nigra, BLoch(シノニム/Elacate nigra ) みさきしいら〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)
英名/Cobia(コビア)Linnaeus
Carl von Linné(カール・フォン・リンネ 1707-1778 スウェーデン)。二名法を確立。地方名・市場名
生息域
海水魚。沿岸〜沖合の表層域。
オホーツク海沿岸、北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋沿岸。瀬戸内海にも希に入る、屋久島、伊江島、石垣島、八丈島、小笠原諸島、東シナ海大陸棚域。
朝鮮半島南岸、台湾、遼寧省・山東省〜トンキン湾の中国沿岸、海南島、南沙群島、希にピーター大帝湾、インド-西太平洋、大西洋、地中海。生態
ー基本情報
スギ科(スギの仲間)にはスギのみが存在、1属1種である。
世界中の暖かい海域の表層域にいる体長1.5メートル前後になる魚で、成長が早い。天然ものは群れを作らないのでまとまってとれない。
国内では定置網などでとれるが、量的に少ないため、食用魚としてあまり重要視されなかった。
これが熱帯域などで成長が早く、病気にも強いために養殖されるようになって、やや脚光を浴びている。
一時期、「黒カンパチ」という商品名で売り出されていたことも。国内では沖縄、海外では東南アジア、パナマなどで盛んに養殖されている。沖縄ではブランド化が進められている。
珍魚度 珍しい魚ではないが、まとまってとれないので流通量が少ない。がんばって探すしかない。水産基本情報
市場での評価 国産天然の活魚や野締めは希に入荷。安い。
東南アジアから冷凍フィレが輸入されているがあまり高値ではない。
パナマからドレスにしてのチルドもあるが、こちらはやや高値。
漁法 養殖、定置網
主な産地 鹿児島県、長崎県選び方
触って硬いもの。意外に天然ものは鮮度落ちが遅い。味わい
旬は夏だと思うがばらつきがある。
鱗は小さく取りにくい。皮はしっかりしている。骨はやや硬め。
身は透明感のある白身で血合いがきれい。熱を通すと締まって硬くなる。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
スギの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、煮る(煮つけ)、ソテー(ムニエル、バター焼き)、揚げる(フライ、唐揚げ)クリックで閉じます
スギの刺身 大きいものほど脂の乗りはいい。ただし筋肉に味があるので、小型も薬味などでおいしく食べられる。
水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。皮を引き、身が締まっていたので薄く造る。
定置網もので活け締めにされていたので、食感がとても豊か。うま味もあって非常に美味であった。8月の個体なので柑橘類と青唐辛子を薬味にした。
スギのカルパッチョ 嫌みのない魚で、写真の個体はあまり脂が乗っていなかった。むしと身にうまみがあったのでカルパッチョにしてみた。三枚に下ろし皮を引き、できるだけ薄く切りつける。皿ににんにくをなすりつけて香りをつけ、オリーブオイル・塩を入れて伸ばす、ここに並べて行き、上からとんとんと馴染ませる。柑橘類、トマト、クラッシュ黒コショウ、振り塩をしてオリーブオイルを回しかける。クリックで閉じますスギのセビチェ ペルー料理でいうなれば柑橘類と玉ねぎ、唐辛子のマリネである。三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取り皮を引く。1㎝弱くらいに切り、塩・青唐辛子(三重県尾鷲市の虎の尾)・玉ねぎを和え、たっぷりのライムを絞り込む。かなり塩辛く、唐辛子で辛い。スピリッツに合う。クリックで閉じますスギのフライ 水洗いし三枚に下ろす。皮を引き切り身にして塩コショウする。小麦粉をまぶして溶き卵をからめ、パン粉をつけて揚げる。くせのない上品な白身だ。均質でほどよく繊維質、揚げると表面は香ばしく、中は柔らかく豊潤に揚がる。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/菊地利雄さん(静岡県沼津市)
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)