オオクチイシナギの料理法/煮る(煮つけ、鍋、しゃぶしゃぶ)、生食(刺身、カルパッチョ、セビチェ)、汁(みそ汁)、揚げる(フライ、唐揚げ)、焼く(塩焼き、みそ漬け)

オオヨの鍋

オオクチイシナギの鍋[写真は成魚](すっぽん仕立て) 成魚(25kg)の切身をゆで、しょうゆをつけて食べてみただけで魅力的だった。上質の白身のよさはほどよく繊維質で口の中でほぐれながら味わえることだろう。鍋を考えて、すっぽん仕立てにしてみた。昆布だしに酒(3分の1前後)、塩で味つけ。ここに湯通しして表面を霜降りにした身を煮ながら食べる。まことにぜいたく極まりないあじわいである。

オオナと大根煮

オオクチイシナギと大根煮[写真は成魚] 大振りの切り身と大根を、まるでブリ大根のようにたく。大根は下煮しておく。イシナギの切り身は湯通しして表面のぬめりを流す(湯通し、下煮の工程はしなくてもいい)。これを昆布だし(さし昆布でも)と酒、しょうゆでたく。甘めの方がご飯には合うのでみりん、砂糖など好みで使うといい。料理にダメという文字はあってはならない。切り身が煮染まってきたら大根を投入する。大根の煮え加減を見て出来上がり。何回も煮返してもいいし、これもまたウマスギ!

オオヨのしゃぶしゃぶ

オオクチイシナギのしゃぶしゃぶ[写真は成魚] 皮付きの薄切りを昆布だし、酒、塩味のなかでゆらしながら、このみの火の通し加減で食べるもの。今回は水菜を使って、はりはり風にしてみた。生でも食べられるが、軽く火を通すとまったく違う味に変身する。好みで完全に火を通してもまた別の味になる。水菜のはりはり(さくさくな気もする)って感じもいい。

オオクチイシナギの煮つけ

オオクチイシナギの煮つけ[写真は若魚] 若魚は白身ではあるが水分が多く、繊維質に欠けるのが欠点だが、煮ると適度にしまる。成魚は白身として上質であり、煮つけにしても適度に身が締まる。水洗いして適宜に切り、湯通しして冷水に落として残った鱗、ぬめりを取る。水分をよく切り、酒、砂糖、しょうゆ味で煮る。酒・塩のみ、酒・みりん・しょうゆ味で煮てもいい。写真は若魚を使ったものだが、成魚の方がうまい。

オオヨの刺身

オオクチイシナギの刺身[写真は成魚] 成魚と2〜5kg前後の若い個体の味わいは、まったくの別物だということがわかってきた。成魚の刺身は見た目はブリに似ているがもっと白身らしいうま味があって、後味がいい。不思議なのはほどよい脂ののりで甘味もあるのに後口がいいこと。上等の味だと思う。

オオクチイシナギの刺身

オオクチイシナギの刺身[若魚] 若魚は鮮度落ちが早く、食感が落ちるのが難点だが、血合いが美しく、イヤミのない味。三枚に下ろして、皮はやや硬いので引く。わさびじょうゆ、しょうゆ・一味唐辛子、酢みそで食べてみた。好み的にはしょうゆ・一味唐辛子だったが、それほど値の張る魚でもないので自分好みの楽しみ方をしてもいいかも。

オオナのカルパッチョ

オオクチイシナギのカルパッチョ[成魚] むしろ若魚の方が向いていると思うが、今回は成魚でやってみた。できるだけ薄切りにして、にんにくをなすりつけ、塩コショウ、オリーブオイルを敷いた皿に並べていく。上からスプーンなどでとんとんと馴染ませて、上からも塩コショウ(香辛料は何を使っても面白いし、楽しい。料理は融通無碍に)、好みの香りのある野菜などをのせてエクストラバージンオイルをかけまわした。柑橘類を振ってもいいし、油もなんでもいい。

オオイオのムニエル

オオクチイシナギのムニエル[成魚] 大型なので切り身になっていることが多いので、これをそのままソテーする。意外に筋肉内に脂が混在しているため、タラ類とはまったく違う味になる。これに塩コショウして小麦粉をまぶす。油(好みのもので)でじっくりと香ばしくソテーする。ふんわりと柔らかく仕上がるが、最後にバターで風味づけをする。しょうゆをたらすとおかずになる。

オオヨのフライパン照り焼き

オオクチイシナギのフライパン照り焼き[成魚] 切り身に塩コショウして小麦粉をまぶす。油でじっくりとソテーして切り身を取りだし、みりん、酒、しょうゆでデグラッセする。ここに切り身を戻してからめる。一緒に野菜などをソテーしてもいい。上質の白身はご飯にも合う。春のおかず、という認識が生まれるといい。

オオナのフライ

オオクチイシナギのフライ[成魚・若魚] 成魚を使っても若魚を使ってもおいしい。やや水分が多いが、適度に繊維質で熱を通して硬く締まりすぎない。タラ類の上品な味には仕上がらないが、より魚らしい味わいが楽しめる。切り身はあまり厚く切りつけないようにして、塩コショウする。小麦粉をまぶしてやや高めの温度の油で短時間にかりっと揚げる。

オオナの唐揚げ

オオクチイシナギの唐揚げ[成魚] 胸鰭周りや頭部などを適当に切って使ってもいいし、三枚に下ろした身を使ってもいい。一口大に切り、酒、しょうゆ、みりん、香辛料(ここでヒバーツを使ったが、何でもいい。意外にシナモンなども合う)の地につけ込む。揚げる前に地から離し、よく水分を拭き取り、片栗粉をまぶして揚げる。味つけしないで揚げて、塩と香辛料を振ってもいい。

オオクチイシナギのみそ汁

オオクチイシナギのみそ汁[若魚・成魚] 頭部や切り落としのあらなどから実に味わい深いだしが出る。あらを集めて湯通しして、冷水に落とし鱗やぬめりを取る(必ずしもやらなくていい)。これを水(昆布だし)から煮てみそを溶く。うま味豊かなみそ汁になり、ご飯にも合う。大根やにんじんなどの根菜類を合わせてもおいしい。

オオクチイシナギのみそ漬け

オオクチイシナギのみそ漬け[若魚・成魚] 水洗いして三枚に下ろし、薄めに切り(小振りのものはそのまま切ってもいい)みそに漬け込んで焼いたもの。今回はやや甘口の宮崎県の麦みそで作ってみた(みそはあるものを使うといい)。みそ漬けにしても硬く締まりすぎずとても味がよかった。若魚よりも成魚の方がうまい。