小田原魚市場、チダイを赤酢で洗う


神奈川県小田原魚市場で揚がったチダイは体長22cm・311g と小振りではあるが、脂がのもすごく乗っていた。
おいしいとは思ったものの手放しにうまいとは言い難い。
室温で刺身の表面が潤むほどだと、刺身を食べた気がしない。
別に年齢のせいではない。
脂の多すぎるもの、味の重いものは、まずは刺身にして食べるには食べるが、一部は必ず、酢じめ、もしくは酢で洗う。

我が家では酢はいろいろ試した挙げ句に、ミツカンの三ツ判山吹を使っている。
いちばん手に入れやすく、しかも使いやすいからだ。
しかも赤酢は滅法うまいというか、こくがある。

赤酢で洗うと見た目は悪いのだけど、味のバランスが絶妙なのだ。
脂が強く、口の中でとろけて甘い。
魚自体の味が脂の強さに埋没しそうになると、赤酢が脂の暴走を適度に抑えてくれる。
皮のうま味、皮下の脂の層、身の甘さがしっかりわかる。

脂脂したものが好きな向きには、しっかり脂を楽しんで欲しい。
ただほどよいうまさを望むなら、脂の強さだけではなく、赤酢のこくや、魚の真の味がちゃんと味わえる方がいい。
それにしても時季のチダイは実にうまい。

酒は村上市「〆張鶴 花」を5勺で、ちょうどいい加減だ。

チダイは今まさに旬で、旬はまだまだ続く


タイ科チダイ属のチダイは最大でも体長40cmほどにしかならない。
体色が鮮やかな桜色でやけに美しい。
北海道から九州までの沿岸域に普通で、関東では若い個体を「春日子」という。
産卵期は関東では8月下旬から10月にかけてだと思われるので、5月から9月くらいまでが旬である。

皮つきのまま赤酢に浸し込む


今回のものは水洗い(鱗を取り、鰓・内臓を取る)し、三枚に下ろす。
腹骨・血合い骨をとって半身は刺身に。
半身は皮付きのまま多めの塩を振る。
1時間以上置き、赤酢のなかに1分ほど浸す。
脂が少ないときは洗うだけでいい。


関連コンテンツ

サイト内検索 (Google)

その他コンテンツ

ぼうずコンニャク本

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場
すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~
すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。
イラスト図解 寿司ネタ1年生
イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
地域食材大百科〈第5巻〉魚介類、海藻
魚介類、海藻460品目を収録。