脂がないのにごっつぉじゃった、ヒラソウダ
脂がないので刺身は赤い、けど豊かな味わいに感動できる
神奈川県小田原市、小田原魚市場、二宮定置で選別のじゃまをしていたら、ヒラソウダをいただいた。
触った感じが硬いので、それほど期待して食べたわけではない。
ただ、二宮定置の若い衆が、ヒラソウダを指さして、「脂はないけどうまいんです。さっぱりしていて……」と年齢に合わないことを言ったのだ。
そしてボクもいいたい。なんだかわかんないけど、脂のあまりないヒラソウダは、ごっつごっつぉ(徳島弁で大御馳走)じゃ。
半身の背だけを食べたが、昨日の感動が残っているので今日は腹の部分を食べてみよう!
なんて気持ちになっている。
脂が乗っていると、脂のこくというか口溶け感からくる甘さを堪能出来るものの、真のヒラソウダの味がわからないのかも知れない。
8月後半のあっさりしたヒラソウダは、ヒラソウダの持っている呈味成分だけで勝負して勝利を勝ち取っているみたいだ。
たぶんイノシンの豊かさからくる強いうま味だけではだめで、ほどよい酸味があるからうまい。
この酸味がなければ味が単調過ぎる気もする。
それにしても漁師というのは、テレビなんかに出てくる偽グルメが裸になって逃げるくらい本物グルメなのである。