今季初タカベは産地不明
この独特の味を食べないと夏が来ないという人もいる

初物はうれしいものだが、最近、初物のよさがだんだん失われてきている。そんな中でタカベだけはいまだに強く、初を感じさせてくれる。
東京の夏の味である。
この独特の脂の味を食べると、毎年梅雨入り近しを感じていたのに、今年は梅雨明けの初タカベだ。
やや小振りながら、ほどよく脂が乗っていて、初物めいて初々しい気がする。
今年は少し遅れ気味だなと感じながら、手に持って柔らかな胴体にかぶりつく。
タカベだけは日本酒ではなくビールが合う。
昨年は居酒屋でお願いするのに懐具合が気になるほど、伊豆諸島の大型は高価だった。
今年のタカベはいったいどうなるやら。
小振りだが脂が乗っている、今季初もの

この日、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産にあったのは体長18cm・140gなので小振りである。あまりにも慌ただしい朝だったので産地を聞き忘れる。
荷の作りから千葉県産である可能性が高いが、産地不明としておきたい。
タカベは古くから江戸周辺の海に多い魚で、鰖(音はだ)の文字も江戸の街で使われていたものだ。
動力船のない時代、比較的近い伊豆大島当たりから来ていたのだと思っている。今でも特大は伊豆諸島産が多い。
タカベは水洗いして内臓はずぼ抜き(箸などを口から入れて鰓と一緒に内臓を取る)する。
振り塩をして1時間以上寝かせて、じっくりと焼き上げる。
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