今季最後のカキフライ

今季最後のカキフライは広島市産


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で広島市産カンカン入り剥きガキを5つ買う。225円だった。
あくまでもボクの場合だけど、マガキは10月から3月いっぱいまでにしている。今年はちょっとだけ遅れて、4月中旬にマガキ終いをする。そのための5つである。
ちなみに懐石ではそろそろ「名残の」、とつきそうなマガキだけど、この4月がいちばんぽってり太っているのが残念でならない。近年、食い時を4月いっぱいまでに延長したくなっているが、イワガキと重なるのがいやなので、迷いに迷っている。
思えば初カキフライは遅れ、昨年11月も末のことだった。
振り返ってみると昔は10月の声を聞くと間違いなく秋深し、だったのに最近では11月に秋の気配を感じている。海水温の上昇にもだえくるしむ海藻たちの気持ちがわかる。
さて、4月半ば、広島市江波の剥きガキは触ると弾力があり上々のものであった。
帰宅後、剥きガキは大根おろしできれいにして、水分をきって、冷蔵庫で一休みしてもらう。
市場から帰宅すると、買ったもの、送られて来たものを処理しなくてはいけないので、2時間前後魚介類にまみれる。
ここでシャワーをあびるのだけど、お昼ご飯の大方を作っておく。
カキフライの材料を集めて置く。
剥き身に塩コショウし、小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせ、パン粉をつける。
水産生物の細かい部分まで見たり撮影したりすると、脳みそも身体も疲れ切るので、この日はシャワーではなく湯船で身体を癒やす。
風呂上がりに、皿にキャベツがなかったので、セルバティコを敷き、カキフライを揚げて並べてお終いである。
これでビールといきたいところだけど、さんぴん茶を氷入りで。
早く昼ビールをやりたいものだと思うけど、人生我慢が肝心なのだ。
終いのカキフライがたった5個というのが、ボクの体調のせいなのも悲しい。
でも、揚げたてのカキフライにご飯、ワカメのみそ汁にさんぴん茶は、いい昼ご飯だと思う。
揚げたてのカキフライの、じゅわりと出てくるジュのうまさたるや筆舌に尽くしがたい。
ご飯との相性がいいことにも喜びを感じる。
ふと、「あ、あ」、今季もこれで、この渋甘い、濃厚なカキフライともおさらばか、なんて切なくもなる。


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