めじの腹もを素揚げにして朝ご飯

きれいなクロマグロの若魚はめったに手に入らない


八王子綜合卸売センター、福泉でクロマグロの若い個体である、「めじ」を買った。触った限りは脂はないとみたが、非常に美しい個体で思わず手が出てしまったのである。念のために鰭の確認をして、体のキズのあるなしを見る。
鮮度がよく、美しいだけではなく完全無欠に近い。我がデータベースは同じ魚でも繰り返し繰り返し、丸々の状態、すなわち形態画像を取り直している。
だからきれいだとついつい買ってしまう。
撮影するからには、食べるのは翌日になる。
今回の個体は産地を聞き忘れるといった失態をおかしてしまったものの、見事な画像が撮れた。しかも翌日でも刺身で食べることができた。
この「めじ」で12品の料理を作る。熟成を要するものがあるので、現在進行形である。
さて、撮影が午前6時過ぎに終わり、被写体である「めじ」を下ろす。
今回腹部の内臓を包んでいる部分を三角形に切り取る。
材料はこの腹もだけだ。
だいたい午前3時には起きてサイトの運営やメールの返信、前日に撮った画像整理をしているので、午前6時を過ぎると腹が減りすぎてなにも手につかなくなる。
あたふたと短時間で朝ご飯を作る。

揚げるだけなので、これ以上簡単な料理はないと思う


まずは三角形の表面の水分をていねいに取る。
後は中温の油に泳がせるだけである。
皮目を上に、身を下にしてじっくりしつこいくらい揚げる。
身の方がこんがりガマの穂色になったら皮目を揚げて、出来上がりである。
お好みで振り塩をしたり、チリペッパーやコショウを振るといい。
今回の素揚げは熱帯と、沖縄のウミンチュに学んだものだ。
熱帯域では魚は粉をつけ揚げるのではなく、素揚げにする。揚げてそのままキャッサバやタロイモ、ご飯で食事とする。
面白いのは素揚げにタロイモを、バナナの葉などでぐるぐる巻きにしたものがバザールのあちらこちらに売られている。とても原始的で小魚の内臓入りだったり、おっかなびっくりしつつ食べ歩くのはとても楽しいものなのだ。
ボクの場合、これまた熱帯域で教わった柑橘類と醤油(ソイソース)で、バゲットと合わせた。
もちろんワイルドに手づかみで食べるのだけど、香ばしい中に魚の脂と風味がある。
あくまでも好みの問題だが、バゲットにも合うが、本当はキャッサバやタロイモ、ご飯と食べた方がうまい。
ここに果物でも加えるとバランスのいい朝ご飯になる。


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