相模湾伊東産ワラサがうまい

5.8kgで太り自肉


八王子総合卸売協同組合、マル幸に5〜6キロのワラサがきていて、パーチを見ると静岡県伊東産であった。考えてみると前回の小田原では二宮定置のワラサが山のようになっていた。相模湾だけはなく鹿児島でも5〜8キロサイズがとれているという。
このワラササイズは生殖巣が膨らんでいて、産卵が近いことがわかる。ただし卵巣は大きいもののしっかりしていて硬いのだ。となると立夏がすぎて6月初めくらいまでは群れが散ることがないのかも知れない。
さて立夏前のワラサの味はいかに。

触らなくてもわかる脂ののり


マル幸、クマゴロウが半身にしてくれた、その半身は触らないでも脂ののりがわかるていのものだ。身に張りがあり、均質なのか身割れもなく上物中の上物である。

脂豊かな腹身


腹、背、尾の刺身を食べて、ほどほどの脂ののりに箸がのびて困るという感じになる。
腹は室温に置いて脂が溶けてにじみ始める。

いちばん普通においしい背


いちばん普通にうまいのは背かも知れない。嫌みがなく食べて食べ飽きない。

絶品尾の身


ちなみに個人的には冬のブリよりも春のワラサの方が好きだ。
ほんの数年前にこてこての徳島ラーメン大盛り2杯という猛者と、真冬の七尾産ブリを食べたことがある。そんな猛者をしても冬の富山湾産ブリは3、4切れで箸が止まった。標準和名のブリはとかく脂、脂というけれど、脂もほどよくなければダメなのだ。
ちなみに尾のうまさに目覚めてしまって久しい。やはり細長く遊泳力の強い魚は尾がいちばんうまいと思う。ついつい尾に箸が伸びるが尾鰭から10cmくらいまでがうまくて、それよりも前方は平凡である。
今回合わせたのはスエーデンのアブソリュートのハイボールに、徳島県の柚子胡椒ほんのちょびっと、だ。スピリッツに柚子胡椒の塩気が魚と合うことを最近、大発見したばかり。
たっぷりの刺身は、柚子胡椒、わさび醤油、酢みそ、コチュジャン酢で食べているので、刺身の食べ方も無限大にあるということになる。


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