5月になれば、もっとよくなる紀州のイサキ
脂はほどほどで、おいしいんだけど、ゴージャスではない
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今回のイサキが水揚げされたのは三重県紀宝町鵜殿漁港である。
三重県と和歌山県を隔てる、熊野川が流れ込む河口域にあり、南に橋を渡ると和歌山県新宮市となる。
多種多様な魚が揚がるところで、都内市場でも比較的「鵜殿」の荷(発泡の箱に魚を入れたもの)をよく見る。
紀勢本線鵜殿駅周辺は好きなところで、食堂もあり、喫茶店もあり、いいスーパーもある。
イサキはイサキ科のイサキではあるが、実はイサキ科の中でも特異な姿をしている。(イサキ科は先々分裂、また階級が変更になりそうなので、現イサキ科としたい)
鯛型の多いイサキ科にあってスマートなのである。
イサキ科の多くが熱帯域にいるのに対し、温帯域に多く、北の海域、宮城県や新潟県周辺にまで生息域が広げている。
寒い時期にもおいしいイサキはいるものの、やはり夏が近づくほど脂が乗ってくる。
4月くらいから食べ始めると、少しずつ脂が乗ってくるので、脂の乗り具合に夏近しが感じられるのもいい。
この季節による魚の、味の変化こそが季節感なのだ。
さて、4月13日の小振りの個体は身に張りがあり、うま味豊かではあったが脂は乗っていなかった。
脂の乗っていないイサキに磯臭みを感じるものがあるが、今回はまったく磯臭みはなかった。
脂は乗っていなかったが、今季初イサキは充分味わい深く、台湾のウーロン茶で我慢するつもりが、いただきものの「菊水 ふなぐち 一番しぼり」をかぷっと開けてしまった。
4月の小イサキだって充分酒を呼ぶ。

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
イラスト図解 寿司ネタ1年生



