皮霜造りにして考えた、3月の大ムツは難しい

口いっぱいに脂の口溶け感とうま味が広がる


神奈川県小田原市小田原魚市場で手に入れたムツの評価に手間取った。
「クロムツではなくムツである」と同定するのに手間取ったのもあるが、過去の評価と比べるという作業が複雑すぎた。
ムツ科に関しては大々的に味に関して整理し直しているが、2週間かかっても結局完全には整理できないまま諦めた。

ただし、今回造ったムツの皮霜造りには目から鱗が落ちた。
3月になると3㎏前後の、ムツの水揚げが増えるけど、固体差が出る時季でもある。
今回のムツはほぼアタリだった。
刺身なども上々の味だったが、皮霜造りがウマスギだったのだ。

刺身では感じなかった脂ののりが熱湯をかけることで浮き上がって来た。
皮と皮直下に豊かな脂があって身の何倍もうまい、ということである。
体長30cm・1㎏以下がハズレがないサイズだが、味の豪華絢爛さからすると大形が上である。
2切れで十二分に腹にたまる切りつけ方だったが。
久しぶりに大食いしてしまった。

このとき合わせた酒は「桂月 CEL24 純米大吟醸50」で、絶品だったが、ムツのうまさに、霞んでしまった。ミスティー、なのだ。

じっくり同定しないとクロムツ、ムツはわからない


今回の個体はムツであった。
ムツ科のムツとクロムツを見分けるのは難しい。
クロムツは相模湾が南限だと思っているので、相模湾以北太平洋で揚がるとクロムツである可能性があり、それ以外で揚がる現時点でムツ科は総てムツだ。
基本的に両種は個体をじっくりみて、ときに分解しないと同定できない。

神奈川県・静岡県の相模湾にはクロムツとムツの2種類がいるが、クロムツは総て2㎏以上で、小さいのは総てムツ。
水揚げ量もムツが多い。
深海魚で相模湾では両種とも総て釣り物である。
関東では両種ともに古くから珍重され、高級魚である。

水洗いして三枚に下ろす。
背と腹に分けて、背の方を使った。
皮目に湯をかけて氷水に落とす。
これを刺身状に切る。


関連コンテンツ

サイト内検索 (Google)

その他コンテンツ

ぼうずコンニャク本

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場
すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~
すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。
イラスト図解 寿司ネタ1年生
イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
地域食材大百科〈第5巻〉魚介類、海藻
魚介類、海藻460品目を収録。