徳島県石井町、すし・うどん 福助

古い商店街の一角にある町のうどん屋だ


徳島生まれだが、18歳で上京したので、徳島の食べもの屋事情には疎い。
今回の店も「阿波うまいもん食べ隊」という、市場人に教わったSNSで知ったもので、老舗の食堂だと思い寄ってみた。
建物はともかく店の創業はかなり古そうである。

徳島県の食堂は、食堂とはいわず「うどん屋」ということが多かった。
今現在、徳島市でも年をとった人は「うどん屋=食堂」だ。
たぶん『すし・うどん 福助』も本来はただの「福助」で「うどん屋」だったのだと思われる。
うどん、そばのほかに中華そばもあるし、カレーや丼ものもある。
この品揃えも徳島の「うどん屋」そのものである。

昔どおりのうどんの味がうれしい


「うどん屋」には必ず「すし」がある。
ボクのいなかは徳島県でも西部で、海から遠いので、「うどん屋」の「すし」は、巻きずし、きつねずし、ちらしずしと精進ものばかりだった。
『すし・うどん 福助』のあるのは県東部、ボクの故郷の徳島本線貞光駅から徳島に向かい、石井駅を通過すると、もうすぐ徳島駅に着くと思ったものだ。
品書きには精進もののほか、「ぼうぜすし」、「さばずし」、「あなごずし」、「あじずし」など海のものがあるのも海に近いせいだ。

うどんは昔ながらの徳島のうどんで、煮干しだしに塩と醤油で、醤油はほんの少しだけしか入っていない。
とても軽い味で、単体では食事とはならず間食といった感じである。
ちなみに小説家、小島政二郎(明治27年東京生まれ)は「そば」に関して、小腹を満たすために食べるもので、食事ではなかったとしている。
関東のそば、西日本のうどんなど、麺の位置づけは昔から間食だったのだ。
板つけ(赤い蒲鉾)がないのが残念だったが、懐かしい味が楽しめた。

姿ずしではなく半身づけのすし


ここに「ぼうぜすし」をつけた。
「ぼうぜ」はイボダイのことだ。
子供の頃、「あじの姿ずし」は故郷で食べたが、「ぼうぜすし(ぼうぜの姿ずし)」は徳島市内で初めて食べた。
「ぼうぜのすし」とは縁がなかったと言っても間違いではない。
これがボクの徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)町内の差なのか、地域差なのかはわからないが、とにかく徳島県東部の人は「ぼうぜ」が好きだ。

『すし・うどん 福助』の「ぼうぜ」は姿のままつけないで、半身づけだ。
締め方は弱く比較的生に近い。
酢飯の酸味と甘味も少ない。
魚本来の持ち味が活かされている。
食べていると、「ぼうぜすし」のすしを持ち帰る人が後を絶たない。
石井の人も「ぼうぜすし」が好きなんだなと思う。
すし・うどん 福助 徳島県名西郡石井町石井


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