2025年初夏は、バライカで焼きうどん

ボクの故郷はお好み焼きだらけだった


ボクの故郷、貞光町(現徳島県美馬郡つるぎ町貞光)には、お好み焼き屋がいっぱいあった。
小さな時、近所の『吉田屋』の、タイル張りのどっしりした台の鉄板で食べていたのは、卵なし、小麦粉を溶いて、キャベツと天かすが入っただけのもので、ソースは甘い徳島特有(イチミツボシ加賀屋のものだったかも)のものだ。

少年サンデーをとってもらっていたので、他の漫画のあるお好み焼き屋に行くことが多かった。
「墓場の鬼太郎」を読むためにときどき寄っていた店で、裏のアンニャが食べさせてくれたのが牛肉入り(?)の焼きうどんだ。
ボクはこのとき、小学校高学年になるまで、店で焼きうどんを食べたことがなかったと思う。
中学・高校と、よく焼きうどんを食べた。
焼きそばよりも焼きうどん好きだった。
「イカ入り」よりも「肉入り(牛肉)」が多かった。

数年前、市場人集まったの無駄話中に、前後は思い出せないが、すし職人のたかさんに「焼きうどんは醤油だろう」なんて言われた、相模原の居酒屋のオヤジに「だし醤油な」とも。マグロ屋までもが「醤油味が普通だな」なんて宣う。
焼きうどんにソース(お好み焼きソースもしくはトンカツソース)というのはボクだけだった。

まったく関係のない話だけど、ボクにとっての焼きうどんは牛肉とキャベツだったが、大人になるとイカ(スルメイカもしくはイカを下ろしたときの鰭やげそ)ばかりになった。
ちなみに大人になると外でお好み焼きを食べなくなった。
そしてこのところ、バライカ(小型のスルメイカで、並べないで流通するのでバラのイカ)ばかりで焼きうどんを作っている。
徳島の甘いソースがないので、生醤油だけの味付けだ。
本当は、スルメイカは大型の方が焼きうどんには向いているが、バライカもうまいじゃないかと、独りごちている。

たなみに写真は一人前の蒸しうどんだけど、最近では半分でよくなった。
なぜか? まんじゅう、食いすぎだから、だ。

バライカの入荷多し、はうれしい


スルメイカは日本近海に多く、非常にたくさんとれるので、国内のイカの代表的なものだった。
乾物、干もの、缶詰など多彩な加工品に生まれかわっていた。
近年、漁獲量が減っていたが、2025年、やや持ち直しているように思える。
写真は八王子卸売協同組合、舵丸水産で買った産地不明の「ばらいか」。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。


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